AIゲーム開発研究室

2026-07-17 15:16:00

研究実験 No.003 第11章 AIゲームデザイン生成モデル Ver.1.0 の提案 p12

AIゲーム開発研究室

研究実験 No.003

第11章 AIゲームデザイン生成モデル Ver.1.0 の提案


11.1 モデル提案の目的

第3章から第10章までの比較実験では、ゲームコンセプトを構成する一語を変更するだけで、AIが生成するゲームデザインが一貫して変化することが観察された。

また、その変化は一定の傾向を持っており、生成されたゲームデザインは「世界」「行動」「価値観」「目的」という観点で整理することで、各実験の違いを一貫して説明できた。

そこで本章では、これらの比較実験から得られた知見を整理し、AIによるゲームデザイン生成を理解するための分析モデルとして、「AIゲームデザイン生成モデル Ver.1.0」を提案する。

なお、本モデルは本研究で実施した比較実験の結果を整理・体系化したものであり、生成AI一般の内部処理を説明するものではない。


11.2 モデルの基本構造

本研究では、ゲームコンセプトから生成されたゲームデザインを分析した結果、AIはゲームコンセプトに含まれる情報を、少なくとも次の四つの観点で整理すると理解しやすいことが分かった。

ゲームコンセプト

   ↓

【世界】

   ↓

【行動】

   ↓

【価値観】

   ↓

【目的】

   ↓

ゲームデザイン生成

ここで示す「世界」「行動」「価値観」「目的」は、AIの内部処理そのものを示すものではなく、本研究の比較実験で観察された生成結果を整理するための分析枠組みである。


11.3 設計情報とゲームデザインの対応

比較実験では、それぞれ異なる設計情報を変更した結果、ゲームデザインの異なる要素が変化した。

設計情報 主な影響
世界 舞台・活動範囲・スケール
行動 プレイヤー体験・ゲームループ
価値観 ゲーム全体の思想・共同体の在り方
目的 ゲームジャンル・報酬・エンディング

この対応関係は、本研究で実施した七つの比較実験を最も一貫して説明できる整理方法であった。


11.4 ゲームデザイン生成の流れ

比較実験を総合すると、AIが生成したゲームデザインには、次のような一貫した構造が見られた。

ゲームコンセプト

↓

世界を設定する

↓

プレイヤー行動を決定する

↓

ゲーム全体の価値観を形成する

↓

ゲームの目的を設定する

↓

ゲームジャンル

ゲームループ

報酬システム

プレイヤー体験

エンディング

が一貫して構築される

この構造は、実験Aから実験Gまでのすべてに共通して観察された。


11.5 本モデルの活用可能性

本モデルは、AIによるゲームデザイン生成の分析だけでなく、ゲーム企画そのものを整理するための枠組みとしても活用できる可能性がある。

例えば、ゲーム企画を検討する際に、

  • どのような世界を設定するのか。
  • プレイヤーは何を行うのか。
  • ゲームを支える価値観は何か。
  • プレイヤーは最終的に何を目指すのか。

という四つの観点からコンセプトを見直すことで、ゲームデザイン全体の一貫性を確認しやすくなる。

ただし、この活用可能性については、本研究で直接検証したものではなく、今後の研究課題である。


11.6 本モデルの位置付け

本研究で提案する「AIゲームデザイン生成モデル Ver.1.0」は、現時点での完成形ではない。

本モデルは、本研究で実施した七つの比較実験から得られた知見を整理した、初期モデル(Version 1.0)として位置付けられる。

今後、異なるゲームジャンルや、異なる生成AIを対象とした比較研究を積み重ねることで、本モデルの妥当性や適用範囲を継続的に検証・改良していく必要がある。


第11章 まとめ

本章では、本研究の比較実験から得られた知見を基に、「AIゲームデザイン生成モデル Ver.1.0」を提案した。

本モデルは、「世界」「行動」「価値観」「目的」という四つの観点で生成結果を整理することで、AIが生成したゲームデザインを一貫して分析できることを示すものである。

また、本モデルはAIの内部処理を説明するものではなく、本研究で観察された生成結果を体系化した分析モデルとして位置付けられる。

 

今後は、本モデルを基盤として、AI時代のゲーム企画やゲームデザインの方法論をさらに発展させていくことが期待される。