AIゲーム開発研究室
たった一語でゲームはここまで変わる
AIゲーム開発研究室 研究実験 No.003【第2回】
たった一語でゲームはここまで変わる
前回は、一つのゲームコンセプトをAIに渡してゲームを設計してもらう実験をご紹介しました。
今回は、その続きです。
私たちは、ゲームコンセプトの一語だけを変更し、そのたびにAIへゲームデザインを依頼しました。
変更したのは、たったこれだけです。
- 「返す」→「分け合う」
- 「森」→「世界」
- 「豊かになる」→「幸せになる」
- 「いただいた」→「集める」
- 「森とともに豊かになる」→「森を守る」
- 「森とともに豊かになる」→「森の秘密を知る」
人が読むと、どれも少し言い回しが変わった程度に感じるかもしれません。
ところが、AIが設計したゲームは予想以上に大きく変化しました。
例えば、「返す」を「分け合う」に変えると、ゲーム全体の考え方が変わりました。
「森へ返す」という循環を大切にするゲームから、仲間と協力し、恵みを分け合うゲームへと変化したのです。
また、「森」を「世界」に変えると、ゲームの舞台は一気に広がりました。
プレイヤーは一つの森だけでなく、さまざまな地域を旅しながら活動するようになりました。
一方で、「豊かになる」を「幸せになる」に変えると、お金や資源を増やすことよりも、人や自然とのつながりを大切にするゲームへと変わりました。
さらに、「集める」という言葉では、プレイヤーが積極的に探索し、資源を見つけることがゲームの中心になります。
「森を守る」では環境保全が目的となり、「森の秘密を知る」では探検や発見がゲームの中心になりました。
つまり、一語変えただけなのに、AIはゲーム全体をその言葉に合わせて組み立て直していたのです。
もちろん、この結果だけで「AIは必ずこのように考える」と結論付けることはできません。
しかし今回の比較実験では、一語の違いがゲームデザイン全体に影響を与える様子を、繰り返し観察することができました。
この結果を見たとき、私たちは一つのことに気付きました。
ゲームコンセプトは、単なる作品紹介ではありません。
AIにとっては、ゲーム全体の方向性を決める設計情報として機能している可能性があるのです。
では、その変化には何か共通した法則があるのでしょうか。
次回は、七つの実験を比較して見えてきた共通点を紹介します。
