AIゲーム開発研究室
第12回 AIへのプロンプトとAIが設計したゲーム素材設計書
ゲーム開発ドキュメント
第12回 AIへのプロンプトとAIが設計したゲーム素材設計書
前回、ゲーム仕様書が完成した後は、実際のゲーム制作へ入る前に「ゲーム素材設計」が必要であることを紹介しました。
今回は、その素材設計を実際にAIへ依頼したプロンプトと、AIが設計したゲーム素材設計書を公開します。
本研究では、AIが単にゲーム仕様書を作成できるかだけではなく、その仕様書を理解し、実際の制作工程へ展開できるのかという点についても検証しています。
AIへ入力したプロンプト
『森のどんぐり大作戦 Version1.0』ゲーム仕様書をもとに、ゲーム制作に必要となる素材を設計してください。
ゲーム会社で実際に制作を進めることを想定し、制作に必要な素材を漏れなく整理してください。
単なる素材一覧ではなく、
・素材の分類
・それぞれの役割
・制作する目的
・今後さらに詳細設計が必要な素材
が分かるように整理してください。
ゲーム素材設計書として、そのまま制作工程で使用できるレベルでまとめてください。
AIゲーム素材設計書
『森のどんぐり大作戦 Version1.0』
1. キャラクター素材
制作目的
プレイヤーが操作するキャラクター、およびゲーム演出に使用します。
制作対象
・パンタ
・コンタ
・ミミ
・リン
・ポン
今後の詳細設計
・待機モーション
・歩行モーション
・走行モーション
・どんぐりキャッチ
・喜び
・キャラクター交代
・ゲームクリア演出
2. 背景素材
制作目的
ゲーム全体の世界観を構成します。
制作対象
・どんぐりの森
・空
・地面
・木々
・草花
・遠景
今後の詳細設計
・背景レイアウト
・レイヤー構成
・演出効果
3. アイテム素材
制作目的
ゲームプレイを構成する重要な要素です。
制作対象
・どんぐり
・取得エフェクト
・ゲーム演出エフェクト
今後の詳細設計
・アニメーション
・サイズ
・出現方法
4. UI素材
制作目的
プレイヤーへ情報を伝え、ゲームを操作するための素材です。
制作対象
・タイトル画面
・スタートボタン
・キャラクター表示
・キャッチ数表示
・ゲームクリア画面
・ゲームオーバー画面
今後の詳細設計
・画面レイアウト
・デザイン
・サイズ
・アニメーション
5. サウンド素材
制作目的
ゲーム全体の演出を高めます。
制作対象
・タイトルBGM
・ゲームBGM
・どんぐり取得音
・キャラクター交代音
・ゲームクリア音
今後の詳細設計
・ループ設定
・音量バランス
・再生タイミング
6. システム素材
制作目的
ゲーム全体の進行を制御します。
制作対象
・ゲーム開始処理
・キャラクター交代処理
・スコア管理
・タイマー
・ゲームクリア判定
今後の詳細設計
・ゲームフロー
・内部データ設計
・イベント管理
AIによるまとめ
ゲーム仕様書を分析した結果、『森のどんぐり大作戦』では、大きく6種類の素材設計が必要であると判断しました。
ゲーム制作では、仕様書から直接ゲームを作ることはできません。
まず制作に必要な素材を体系的に整理し、それぞれの役割と制作目的を明確にすることで、その後の制作工程を効率よく進めることができます。
今回作成したゲーム素材設計書は、今後のキャラクター設計、背景設計、UI設計、サウンド設計、システム設計へと展開していくための基礎資料となります。
おわりに
今回の検証では、AIはゲーム仕様書をもとに、制作に必要な素材を体系的に整理し、「ゲーム素材設計書」としてまとめることができました。
ここで重要なのは、AIが単に素材を列挙したのではないという点です。
ゲーム仕様書の内容を理解し、「ゲームを完成させるためには、どのような素材が必要になるのか」という制作全体の流れを考えながら、設計書として再構成していることが確認できました。
これは、人間のゲームプランナーやディレクターが行ってきた設計作業の一部を、生成AIが支援できる段階に達していることを示しています。
もちろん、最終的な判断や品質管理は人間が担います。
しかし、ゲームコンセプトや仕様書をAIへ適切に提示することで、制作工程を見据えた設計資料を短時間で作成できることが、本研究を通して確認できました。
本研究では、「AIがゲームを作れるか」を検証するだけではなく、「AIと人間がどのように役割分担すれば、より質の高いゲーム開発が実現できるのか」を明らかにすることを目指しています。
今回の素材設計書は、その新しいゲーム開発プロセスを示す重要な成果の一つとなりました。
次回からは、この素材設計書をもとに、各素材の詳細仕様を設計し、いよいよゲーム素材の制作へ進みます。
