AIゲーム開発研究室

2026-08-24 20:21:00

どんぐりをゲットする

森のどんぐり大作戦 開発ドキュメント

どんぐりをゲットする

――AI Agentによる当たり判定の実装と、見えてきた現実的な制約

前回までの制作で、パンタを左右に操作できるようになり、画面上部からどんぐりが次々と落ちてくるところまで完成した。

パンタは左右に動く。

どんぐりはランダムな位置から落下する。

回転しながら地面へ向かい、画面外へ出たどんぐりは自動的に消える。

ここまで来れば、次に必要なのは当然、

パンタがどんぐりを取ること

である。

今回は、パンタの籠とどんぐりの当たり判定を実装する。


どんぐりを籠で受け止める

今回も基本的な方法は変わらない。

人間がUnity上でColliderを設定し、スクリプトを書いて実装するのではない。

まず人間と対話AIであるArcが、何を実現するのかを確認する。

その内容をもとにArcがUnity AI Agentへ渡す指示を作成する。

人間は、その指示をUnity AI Agentへ渡す。

そしてUnity AI Agentが、実際のUnityプロジェクトを調べ、必要な設定と実装を行う。

人間が行うのは、基本的に結果の確認である。

今回実現したいことは単純だった。

落下してきたどんぐりがパンタの籠に入ったら、そのどんぐりを消去する。

Unity AI Agentは、パンタの籠とどんぐりの状態を確認し、当たり判定に必要な設定を行った。

途中、Unity AI Agentから変更を実行するための許可を求められたため、人間が許可を与えた。

そしてゲームを実行する。

どんぐりが落ちてくる。

パンタを操作して、その下へ移動する。

籠にどんぐりが入る。

どんぐりが消えた。

成功である。

これで、

どんぐりを落とす

だけだったゲームに、

どんぐりを取る

というゲームとして最も基本的な仕組みが加わった。


実際に遊べるところまで来た

ここまでの実装によって、現在の「森のどんぐり大作戦」では、

パンタを左右に操作できる。

左右移動に合わせてキャラクターアニメーションが切り替わる。

画面外へ出ないように移動範囲が制限される。

どんぐりが画面上部から連続して出現する。

どんぐりは重力によって落下する。

落下しながら回転する。

画面下へ出たどんぐりは消える。

そして、

籠で受け止めたどんぐりも消える。

まだ得点表示もキャラクター交代もない。

しかし、ゲームの中心となる、

「キャラクターを操作して、落ちてくるどんぐりを取る」

という遊びそのものは成立した。


ところが、突然警告が表示された

当たり判定の実装は成功した。

ところが、その直後だった。

Unity AI Agentの画面に警告が表示された。

「Only 10% of your org's credits remain.」

組織に割り当てられているAIクレジットが、残り10%しかないという警告である。

さらに作業の最後には、

「Not enough credits remaining.」

という赤い表示も現れた。

AI Agentを利用するためのクレジットが不足しているらしい。

ゲームそのものを確認すると正常に動いている。

パンタは動く。

どんぐりも落ちる。

籠に入れば消える。

つまり、制作したゲームが壊れたわけではない。

問題は、Unity AI Agentを利用するためのクレジットだった。


残り27クレジット

Unity Cloudの管理画面を確認した。

そこで、現在の状況が明確になった。

利用可能なクレジット 27

AIサブスクリプション
残り27 / 1,000クレジット

さらに、

クレジット更新 2026年9月2日

月額クレジット 1,000

と表示されていた。

つまり、今回使用していたAIサブスクリプションには月額1,000クレジットがあり、そのほとんどを使ったことになる。

残りはわずか27クレジット。

今回の研究では、単にAI Agentへ質問していたわけではない。

シーンの確認。

キャラクター位置の調整。

アニメーションの作成。

画像素材の問題の診断。

左右移動の実装。

画面端での移動制限。

どんぐりの落下。

回転。

連続生成。

画面外での消去。

そして籠との当たり判定。

実際のゲーム制作をAI Agentに次々と行わせてきた。

その結果として、AI Agentを本格的なゲーム開発に利用した場合、クレジットが実際に消費されていくという、当然ではあるが重要な現実にぶつかった。


追加クレジットを購入できるのか

Unity Cloudには、

「もっとクレジットを買う」

という項目も表示されていた。

そこで追加購入が可能なのか確認してみることにした。

ところが、表示されたのは次のメッセージだった。

「この製品は現在、お住まいの国では入手できません。」

少なくとも今回、実際に使用している日本の環境から表示された購入経路では、追加クレジットを購入することができなかった。

したがって、現時点では残っている27クレジットを使い切れば、表示上の次回更新日である9月2日まで、新しい月額クレジットを待つことになる。

※UnityのAIツールは現在Beta版であり、料金体系や提供地域、クレジット制度などは今後変更される可能性がある。本稿は2026年8月24日時点で、実際の開発環境に表示された内容を記録したものである。


AIゲーム開発には「AIの稼働資源」が必要になる

今回の出来事は、単なるクレジット不足として片づけるべきではないと思う。

従来のゲーム開発でも、制作にはさまざまな資源が必要だった。

人員。

時間。

制作費。

コンピュータ。

ソフトウェア。

そしてAIを中心としたゲーム開発では、そこに新しく、

AIを稼働させるための資源

が加わる。

今回の実験では、一人の人間がプログラムを書かなくても、対話AIとUnity AI Agentを連携させることで、実際にゲームが形になっていった。

これは非常に大きな可能性である。

しかし、AIはいくらでも働いてくれるわけではない。

AI Agentに実際の制作作業を大量に任せれば、それに応じて利用可能なクレジットも消費される。

AIに何を任せるのか。

どの作業にAI Agentを使うのか。

限られたAI資源をどのように配分するのか。

これもまた、AI時代のゲーム開発では制作工程の一部として考える必要があるのかもしれない。


人間は観客になれたのか

今回の実験を始めてから、何度か冗談で、

「人間はもう観客である」

と言ってきた。

実際、今回も人間はColliderの数値を入力していない。

当たり判定のスクリプトも書いていない。

人間は何を作りたいのかを考え、対話AIであるArcと相談し、Unity AI Agentへ指示を渡し、実際にゲームを操作して結果を判断した。

そしてUnity AI Agentがゲームを実装した。

少なくとも今回の範囲では、

人間がコードを書かなくても、AIとの対話と判断によってゲーム制作を進めることができた。

この実験結果は変わらない。

ただし、一つだけ予想していなかったことが起きた。

人間が疲れて止まったのではない。

Unityのゲームが壊れて止まったのでもない。

AIのクレジットが先に尽きかけたのである。


今回の実験結果

今回、「森のどんぐり大作戦」では、パンタの籠とどんぐりの当たり判定が実装された。

これによって、

移動する。
どんぐりが降ってくる。
籠で受け止める。
どんぐりが消える。

というゲームの基本ループが実際に動き始めた。

同時に、AI Agentを実制作の中心に置いたゲーム開発では、AIクレジットという新しい制約が存在することも実体験として確認した。

これは予定していた実験ではない。

しかし実際にゲームを作ったからこそ見えてきた問題である。

ゲーム開発そのものは成功した。

そして成功して先へ進んだからこそ、次の問題が見えた。

これもまた、「AIゲーム開発研究室」で記録すべき重要な実験結果だと思う。

次回までの間は、Unity AI Agentのクレジットを温存しながら、ゲーム素材など今後の制作に必要な準備を進める。

そして9月2日。

新しいクレジットが利用可能になれば、

 

AI Agentによる「森のどんぐり大作戦」の開発を再開する。