AIゲーム開発研究室
第20回 AI画像制作発注書によるゲーム素材制作工程の検証
AIゲーム開発研究室
第20回 ゲーム素材制作実験 No.002
AI画像制作発注書 Ver.1.0によるゲーム素材制作工程の検証
はじめに
ゲーム素材制作を標準化することを目的として、**「AI画像制作発注書 Ver.1.0」**を作成した。
この発注書では、
- 出力画像サイズ
- キャラクターサイズ
- キャラクターデザイン
- 品質要件
- 完了条件
などを、ゲーム制作で使用する発注書に近い形式で定義した。
その後、この発注書を画像生成AIへ入力し、ゲーム素材の生成を行ったところ、発注書で指定した内容どおりの画像は生成されなかった。
そこで今回は、その原因を明らかにするため、
「画像生成AIは発注書(プロンプト)の内容をどこまで反映できるのか」
という観点から、一つひとつの項目について検証を行うこととした。
本実験の目的は、画像生成AIの性能を評価することではない。AIゲーム開発標準ワークフローを構築するために、現時点で画像生成AIが担当できる工程と、人間が担当すべき工程を整理し、その役割分担を明らかにすることである。
実験目的
画像生成AIを用いてゲーム素材を制作する際、
- 出力画像サイズ
- キャラクターサイズ
- キャラクター位置
を発注書で指定できるかを検証し、AIゲーム開発標準ワークフローへの適用方法を検討する。
実験内容
パンタの公式キャラクターマスターを基準画像として使用し、
- 出力画像サイズ
- キャラクターサイズ
- キャラクター位置
を指定したAI画像制作発注書 Ver.1.0を画像生成AIへ入力し、その生成結果を検証した。
実験結果
1. 出力画像サイズ
発注書では320px × 320pxなど、出力画像サイズを指定した。
しかし、指定したサイズで画像を生成することはできなかった。
2. キャラクターサイズ
キャラクター高さ250pxなど、キャラクターサイズを指定した。
しかし、指定したサイズでキャラクターを生成することはできなかった。
3. キャラクター位置
画像中央への配置など、キャラクター位置を指定した。
しかし、指定した位置へキャラクターを配置することはできなかった。
考察
今回の実験では、画像生成AIは高品質なキャラクター画像を生成できる一方で、
- 出力画像サイズ
- キャラクターサイズ
- キャラクター位置
については、発注書で指定した内容どおりに生成することはできなかった。
そのため、現時点では画像生成AIが生成した画像をそのままゲーム素材として使用することは難しく、ゲーム仕様に適合したファイルの作成は、人間が画像編集ソフトを用いて行う工程が必要であると考えられる。
人間は画像編集ソフトを用いて、
- 出力画像サイズの修正
- キャラクターサイズの統一
- キャラクター位置の調整
- ゲーム仕様に適合したシーケンスファイルの作成
を行い、その後ゲームエンジンへ受け渡す。
現時点では、この役割分担が最も現実的なゲーム素材制作工程であると考えられる。
今後の課題
今回の実験では、画像生成AIによる画像サイズやキャラクター配置の制御について確認を行った。
一方で、
- キャラクターの重心を認識できるのか。
- ゲーム用アンカーポイントを認識できるのか。
- 一定のキャラクター配置領域内へ適切に配置できるのか。
については、今回の実験では検証していない。
これらについては、今後の研究課題として改めて実験・検証を行う予定である。
結論
今回の実験により、画像生成AIは高品質なゲーム素材画像を生成できることを確認した。
しかし、ゲーム素材として必要となる
- 出力画像サイズ
- キャラクターサイズ
- キャラクター位置
については、発注書で指定した内容どおりに生成することはできなかった。
そのため、現時点では画像生成AIはゲーム素材画像の生成を担当し、ゲーム仕様に適合したファイルの作成は人間が画像編集ソフトを用いて行うことが、最も現実的なAIゲーム開発標準ワークフローであると考えられる。
本実験は、画像生成AIの限界を明らかにすることが目的ではない。画像生成AIと人間がそれぞれの得意分野を分担し、効率的なゲーム素材制作工程を構築するための基礎研究として位置付けられる。
