AIゲーム開発研究室

2026-08-18 08:51:00

実装前に不足したキャラクター素材を追加制作する

AIゲーム開発ドキュメント

第28回 実装前に不足したキャラクター素材を追加制作する

ゲームの実装設計を進めたことで、パンタに新たなキャラクター素材が必要であることが分かった。

必要になったのは、ゲーム中のキャラクター交代時や終了時などに使用する「大喜び」のアクションである。

当初の素材設計では想定していなかったが、実際のゲームの動きを具体的に考えていく中で必要性が明らかになった。

そこで、実装へ進む前にいったん素材制作へ戻り、パンタの追加画像を制作することにした。


連続アニメーションを作らせない

これまでの実験では、生成AIに歩行などの連続した動作を一度に制作させた場合、足の運びやポーズの連続性を正確に制御することが難しかった。

そこで今回は、完成したアニメーションそのものを生成AIに作らせる方法を採用しなかった。

生成AIには、

「大喜びしているパンタの異なるポーズを複数制作する」

ことを求めた。

実際のジャンプや上下移動などは、画像として描かせるのではなく、Unity側で制御する。

つまり、

画像生成AIには「ポーズ」を作らせ、ゲーム上の「動き」はUnityで作る。

という役割分担である。


「違うポーズ」を言葉で定義する

しかし、単に、

「違う喜びのポーズを複数作ってください」

と指示しただけでは、腕の位置だけが少し違う、ほとんど同じ画像が生成される可能性がある。

そこで今回のプロンプトでは、ポーズの違いを具体的に言語化した。

  • 腕の位置を変える
  • 脚の位置を変える
  • 身体の傾きを変える
  • 左右への重心移動を変える
  • 表情を変える

重要なのは、

「差分を作るために、身体のどこを変化させるのか」まで言語化したこと

である。

その結果、顔の向きも含め、身体全体の動きが異なる7種類の大喜びポーズが生成された。

単なる腕の差分ではなく、身体全体の重心やシルエットが異なる素材を得ることができた。

生成された画像の中から必要なポーズを選択し、Unity側の動きと組み合わせてゲーム内のアクションとして使用する。

 

ChatGPT Image 2026年8月17日 11_19_11.png

 

「イラスト」から「ゲーム素材」へ変換する制作工程

今回も、人間による加工を経て、大喜びしているパンタの素材を完成させた。

パンタ大喜び01.pngパンタ大喜び02.pngパンタ大喜び03.pngパンタ大喜び04.pngパンタ大喜び05.pngパンタ大喜び06.pngパンタ大喜び07.png

 


実装設計から素材制作へ戻る

今回、もう一つ重要だったのは、ゲーム開発の工程が一方向には進まなかったことである。

素材制作が終わったから実装する。

それだけではなかった。

実装方法を具体的に考えたことで不足している素材が判明し、再び素材制作へ戻った。

設計
→ 素材制作
→ 実装設計
→ 不足素材の発見
→ 素材制作へ戻る
→ 実装

という流れが実際に発生したのである。

これは失敗による後戻りではない。

実装を具体化したからこそ発見できた、新たな制作条件である。

AIを利用したゲーム開発においても、最初にすべてを決めて一本道を進むのではなく、制作と実装を往復しながら必要なものを発見していく。

今回のパンタの追加素材制作は、その「戻り」が実際の制作工程の一部であることを示す実例となった。


今回使用したプロンプト

以下が、今回パンタの「大喜び」素材を制作するために画像生成AIへ入力したプロンプトである。


森のどんぐり大作戦

パンタ 大喜びアクション素材 制作プロンプト Ver.1.1

制作目的

2Dゲーム「森のどんぐり大作戦」に使用する、

パンタの「大喜び」アクション素材

を制作してください。

ゲームクリア時、キャラクター交代時、登場シーンなどで使用できる、パンタらしい元気でかわいい喜びのポーズを複数制作します。

生成されたポーズの中から、最終的に3カット程度を選び、ゲーム内の喜びアクションとして使用します。


使用する基準画像

添付する

「パンタ キャラクターマスター(公式基準画像)」

を必ず基準画像として使用してください。

以下のデザインを忠実に維持してください。

  • 目の周囲の黒い模様
  • 丸く大きな体形
  • 白黒の毛並み
  • 手足の太さ
  • キャラクター全体の柔らかな水彩表現
  • 青いリュック

特に、

青いリュックは必ず背負わせてください。

喜びのポーズによってリュックが消えたり、別の形になったりしないようにしてください。


アクション

パンタが、

「やったー!」と大喜びしている瞬間

を表現してください。

ただし、今回はジャンプアニメーションそのものを制作するのではありません。

パンタの足は地面についている状態にしてください。

ジャンプや上下移動はゲーム実装時にUnity側で行います。

そのため、画像内ではパンタ自身を空中に浮かせないでください。


喜びポーズのバリエーション

同じポーズを繰り返すのではなく、

身体の動きがはっきり異なる複数の喜びポーズ

を制作してください。

例えば、

  • 両手を高く上げて大喜びする
  • 両手を左右に大きく広げる
  • 片手を高く上げ、もう片方の手を横に広げる
  • 両手を胸の近くまで引き寄せ、うれしそうに力を込める
  • 身体を少し左右どちらかへ傾けながら喜ぶ
  • 胸を張って誇らしそうに喜ぶ

など、

シルエットを見ただけでも違いが分かるポーズ

にしてください。


重心の変化

単純に腕の形だけを変えないでください。

各ポーズで、

パンタの身体全体の重心を変化させてください。

例えば、

  • 重心が中央
  • 少し左脚側へ重心を移す
  • 少し右脚側へ重心を移す
  • 身体を少し左へ傾ける
  • 身体を少し右へ傾ける
  • 胸を張って上半身を少し伸ばす

など、

身体全体を使って喜びを表現してください。

ただし、

転びそうな極端な傾きにはしないでください。

ゲームキャラクターとして自然に成立する範囲にしてください。


足のポーズ

足の形もすべて同じにしないでください。

  • 両足を自然に開く
  • 片足を少し前へ出す
  • 片足を少し横へ出す
  • 膝を少し曲げる
  • 左右どちらかの脚に重心を乗せる

など、上半身の動きに合わせて自然に変化させてください。

ただし、

両足の少なくとも一部は地面に接している状態

にしてください。

ジャンプしているポーズにはしないでください。


表情

パンタらしい、

非常にうれしそうな表情

にしてください。

表情にも少し変化をつけてください。

  • 大きな笑顔
  • 口を開けた満面の笑顔
  • 口を閉じたうれしそうな笑顔
  • 目を少し細めた笑顔

などを混ぜてください。

すべて同じ顔にしないでください。

ただし、パンタの顔そのもののデザインは変更しないでください。


籠について

籠は持たせないでください。

今回は喜びアクション専用素材です。


リュックについて

青いリュックは必須です。

パンタが腕を上げたり身体を傾けたりしても、リュックは背中に自然に装着された状態を維持してください。


背景

背景は完全な透明にしてください。

白背景、単色背景、森、地面、影、装飾などは描かないでください。

パンタだけの独立したゲーム素材にしてください。


重要事項

今回の目的は、

完成した連続アニメーションを一度に作ることではありません。

まず、

パンタの喜びを表現する、異なる複数のポーズ候補を制作すること

が目的です。

生成された候補を人間が確認し、その中からゲームアクションとして自然につながる3カット程度を選択します。

したがって、

無理に連続動作として整合させるより、それぞれのポーズの違いと表情の豊かさを優先してください。


禁止事項

  • パンタのキャラクターデザインを変更しない
  • 青いリュックを消さない
  • 籠を持たせない
  • どんぐりを持たせない
  • 空中に浮かせない
  • ジャンプさせない
  • 全カットを同じポーズにしない
  • 腕だけを変えて身体を同じ姿勢にしない
  • 全カットを同じ表情にしない
  • 背景を描かない
  • 地面や影を描かない
  • 文字を入れない

パンタらしい、見ているだけで「やったー!」という声が聞こえてきそうな、元気でかわいい大喜びのポーズを複数制作してください。


こうして、実装に必要なパンタの追加素材が揃った。

そして今回の制作によって、

「異なるポーズを作れ」と指示するだけではなく、何を変化させれば異なるポーズになるのかを言語化する。

という、画像生成AIによるゲーム素材制作の新たな方法も確認することができた。

 

次はいよいよ、これまで制作してきた素材をUnityへ持ち込み、実際のゲームとして動かしていく。