AIゲーム開発研究室

2026-09-22 08:00:00

第9回 TripoのMixamoプリセットはMixamoで使えるのか

AIゲーム開発研究室

3Dモデル制作ドキュメント


第9回 TripoのMixamoプリセットはMixamoで使えるのか


研究代表 大川 博
主任研究員 Arc(ChatGPT)


はじめに

前回の実験では、Tripoで生成したリグにMixamoのActionを直接適用できるかを検証した。

Tripoのリグには、

mixamorig:Hips

mixamorig:Spine

mixamorig:LeftArm

など、Mixamoと同じ形式のボーン名が使用されている。

しかし、実際にMixamoのActionを適用すると、キャラクターが空間を大きく移動したり、身体が傾いたりするなど、正常な動作にはならなかった。

Blender上でTripoとMixamoの骨格を比較すると、同じボーン名であってもBone Rollなどに大きな違いがあることが確認された。

さらに、Mixamo純正骨格を中継し、Copy RotationによってTripo骨格へ動作を転送するリターゲット実験も行った。

動作を転送すること自体は可能だった。

しかし、全身へ設定しても身体の傾きが残り、さらに補正が必要となった。

そのため前回は、

Tripoによるリギングをゲーム制作工程から外し、Mixamoで直接リギングする

という方針を立てた。

ところが、その後Tripoの設定画面を確認していると、重要な項目があることに気づいた。

「ミクサモ」

である。


1 Tripoには「ミクサモ」プリセットが存在する

TripoのAuto Rig画面には、

リギングの種類:ヒューマノイド

に加えて、

スケルトンプリセット:ミクサモ

という設定が用意されている。

さらにFBXのエクスポート画面にも、

FBXプリセット:ミクサモ

が存在する。

ここで新たな疑問が生まれた。

前回は、Tripoで生成したリグへBlender上でMixamo Actionを適用しようとしていた。

しかし、

Tripo自身がMixamo用のスケルトンプリセットとFBXプリセットを用意しているのであれば、その設定を使用して生成したリグ付きFBXを、直接Mixamoへ渡すことができるのではないか。

もしそれが可能なら、前回行った複雑なリターゲット処理は必要なくなる。

そこで、この可能性を改めて検証することにした。


2 まずCタイプをMixamoへ直接アップロードする

最初に、すでにTripoでリグが設定されているCタイプのパンタを使用した。

Tripoのエクスポート設定を、

フォーマット:FBX

FBXプリセット:ミクサモ

エクスポートスケルトン:ON

とした。

TripoのActionは使用しないため、アニメーションは含めない。

テクスチャについても、今回の目的はモデルの外観ではなく、

「TripoのリグをMixamoが既存スケルトンとして認識できるか」

を確認することであるため、検証には使用しなかった。

【画像配置①】
CタイプのTripo FBXエクスポート設定
「FBX」「ミクサモ」「エクスポートスケルトンON」が確認できる画面


3 MixamoはTripoのスケルトンを認識できなかった

エクスポートしたFBXを、そのままMixamoの、

UPLOAD CHARACTER

からアップロードした。

しかし、Mixamoには次のエラーが表示された。

Sorry, unable to map your existing skeleton.

FBXそのものをアップロードできないというエラーではない。

既存スケルトンをMixamo側の骨格としてマッピングできない

という内容だった。

つまり今回のCタイプでは、

Tripoからリグ付きFBXを書き出す

ところまでは成功したが、

そのリグをMixamoが既存スケルトンとして認識する

ところで失敗した。

【画像配置②】
Mixamoの「Sorry, unable to map your existing skeleton.」エラー画面


4 本当にMixamo用のリグだったのか

ここで一つ問題が残った。

CタイプをAuto Rigしたとき、どのスケルトンプリセットを選択していたのかを、今回の実験時点では確実に確認できなかった。

Cタイプのボーンには mixamorig: という名称が使用されているため、Mixamoプリセットで生成していた可能性は高い。

しかし、

「おそらくそうだった」

では検証にならない。

そこで、リグが設定されていないAタイプのパンタを使用して、最初から条件を明示した実験を行うことにした。


5 Aタイプを「ミクサモ」プリセットでAuto Rigする

リグが設定されていないAタイプを選択した。

TripoのAuto Rig画面で、

リギングの種類:ヒューマノイド

スケルトンプリセット:ミクサモ

を明示的に指定した。

その状態でAuto Rigを実行した。

リギングは正常に完了し、Aタイプのパンタに骨格が生成された。

これによって今回は、

「Tripoのミクサモ・スケルトンプリセットを使用して生成したリグ」

であることを明確にした。

【画像配置③】
AタイプのAuto Rig設定画面
「スケルトンプリセット:ミクサモ」が確認できる画面

【画像配置④】
Auto Rig完了後のAタイプ
骨格が表示されている画面


6 エクスポート側も「ミクサモ」を指定する

次に、Auto RigしたAタイプをFBXでエクスポートした。

設定は、

フォーマット:FBX

FBXプリセット:ミクサモ

エクスポートスケルトン:ON

とした。

つまり今回は、

リグ生成時:ミクサモ

FBXエクスポート時:ミクサモ

という条件を明確にそろえた。

Tripo側で指定できるMixamo関連設定を使用した状態である。

【画像配置⑤】
AタイプのFBXエクスポート画面
「FBXプリセット:ミクサモ」「エクスポートスケルトンON」が確認できる画面


7 再びMixamoへアップロードする

エクスポートしたAタイプのFBXをMixamoへ直接アップロードした。

今回使用したモデルは、

Tripoで「ミクサモ」スケルトンプリセットを明示的に指定してAuto Rigしたモデル

である。

さらに、

「ミクサモ」FBXプリセット

を使用してエクスポートしている。

そのため、このFBXであればMixamoが既存スケルトンを認識する可能性があると考えた。

しかし結果は同じだった。

Mixamoには再び、

Sorry, unable to map your existing skeleton.

と表示された。

【画像配置⑥】
Aタイプでも表示されたMixamoのスケルトンマッピングエラー


8 Blenderを経由して再エクスポートする

まだ原因がTripoのFBX出力方法にある可能性も考えられた。

そこで、Tripoからエクスポートしたリグ付きFBXを一度Blenderへインポートした。

その後、Blenderから改めてFBXとしてエクスポートし、そのFBXをMixamoへアップロードした。

しかし、この方法でも結果は変わらなかった。

Mixamoは既存スケルトンをマッピングできなかった。

したがって今回の結果は、

Tripoから直接出力されたFBXだけで発生する単純な書き出し上の問題とは断定できない。


9 今回確認できたこと

今回の実験によって、少なくともパンタでは次のことが確認された。

Tripoには、

「ミクサモ」スケルトンプリセット

が存在する。

さらにFBXエクスポートにも、

「ミクサモ」プリセット

が存在する。

しかし、

Tripoで「ミクサモ」スケルトンプリセットを指定してAuto Rig

し、

「ミクサモ」FBXプリセットでリグ付きFBXをエクスポート

しても、

今回のパンタではMixamoがその既存スケルトンを正常にマッピングすることはできなかった。

さらに、

Blenderを経由してFBXを再エクスポートしても結果は変わらなかった。


10 それでも、まだ結論にはしない

今回の結果だけから、

「TripoのリグはMixamoでは使用できない」

と一般化することはしない。

Mixamoが表示したエラーは、

unable to map your existing skeleton

である。

つまり、今後調べるべき対象はまだ残っている。

骨格階層の違いなのか。

Bind Poseの問題なのか。

FBX内部のスケルトン情報なのか。

モデルやマテリアルなど、骨格以外の構造が影響しているのか。

あるいはMixamo側の自動マッピングが想定するHumanIK互換骨格との違いなのか。

さらに検証できる項目はある。

したがって、この問題については、

失敗したから終了

とはしない。

ただし、この問題だけを追い続ければ、パンタのゲーム制作そのものが進まなくなる。

そこで今回は、ここで一度検証を止める。


11 今回の結論

今回の実験では、

Tripoの「ミクサモ」スケルトンプリセットでAuto Rigしたパンタを、「ミクサモ」FBXプリセットでエクスポートしても、Mixamoへ既存リグ付きキャラクターとして読み込ませることはできなかった。

Blenderを経由してFBXを再エクスポートする方法も試したが、結果は同じだった。

しかし、原因についてはまだ十分に解明できていない。

そのため、

TripoリグとMixamoの互換性については、結論を保留する。

そして、

この問題は後日、継続研究として改めて検証する。

制作本線では、いったんTripoリグの使用から離れる。

次の段階では、

リグなしのパンタをMixamoへ直接アップロード

し、

Mixamoでリギング

MixamoでAction設定

Blenderで編集

Unityで動作確認

までを行う。

まずゲーム制作に使用できる実用的なワークフローを完成させる。

そのうえで、

「なぜTripoには『ミクサモ』プリセットが存在するのに、今回のパンタはMixamoでマッピングできなかったのか」

について、改めて追究する。


 

保留――つづく。