AIゲーム開発研究室

2026-10-01 01:17:00

第14回 画像生成AIの進化を再検証する ― 背景透明化とピクセルサイズ指定 ―

AIゲーム開発研究室

3Dモデル制作ドキュメント


第14回 画像生成AIの進化を再検証する

― 背景透明化とピクセルサイズ指定 ―


研究代表 大川 博
主任研究員 Arc(ChatGPT)


はじめに

画像生成AIは、非常に速い速度で進化している。

これまで「できない」と確認したことが、数か月後にはできるようになっている可能性がある。

AIを利用したゲーム開発では、一度確認したAIの能力を固定的なものとして考えることはできない。

本研究ではこれまで、ゲーム素材や3Dモデル制作のための画像生成において、

完成画像そのもののピクセルサイズを指定する

画像内部のキャラクターを指定したピクセルサイズで生成する

といった実験を繰り返してきた。

しかし、いずれも正確な数値制御はできなかった。

そのため、AIによって素材画像を生成した後、最終的な画像サイズ、キャラクターサイズ、配置位置などは、人間が画像編集ソフトを使用して調整する方法を採用してきた。

一方、今回あらためて画像生成AIの機能を確認したところ、以前とは異なる可能性も見えてきた。

そこで第14回では、過去に検証した機能について、現在のChatGPT画像生成を使用して再検証を行った。

今回検証したのは、次の三点である。

既存画像の背景を透明化できるか。

完成画像を指定したピクセルサイズで生成できるか。

画像内部のキャラクターを指定したピクセルサイズで生成できるか。


第1章 既存画像の背景透明化

最初に確認したのは、背景の透明化である。

今回使用したのは、以前制作して保存していたコンタの4方向画像である。

重要なのは、この画像がChatGPT上で生成された直後の画像ではないことである。

一度ダウンロードして保存した画像を、あらためてChatGPTへアップロードした。

そして、

キャラクターを維持したまま背景を透明化する

という編集を行った。

結果として、キャラクターの輪郭や細部をおおむね維持したまま、背景を透明化することができた。

切り抜き精度を確認した結果、ゲーム素材や3Dモデル制作の前処理として使用するには、十分な品質であると判断した。

ただし、今回使用したコンタの画像には、もともと比較的明瞭な輪郭線が存在している。

この輪郭線によって、キャラクターと背景との境界を画像生成AIが認識しやすかった可能性も考えられる。

したがって今回の実験だけから、

どのような画像でも同じ精度で背景を透明化できる

と結論づけることはできない。

今回は背景除去技術そのものを研究することが目的ではないため、輪郭線のない画像や、背景との境界が曖昧な画像を使用した追加実験までは行わなかった。

今回確認できたのは、

少なくとも今回使用したようなキャラクター画像では、一度保存した既存画像であっても、ChatGPTを利用して実用的な品質で背景を透明化できる

ということである。

これは、ゲーム素材や3Dモデル制作のワークフローを簡略化できる可能性を示している。


第2章 完成画像のピクセルサイズ指定

次に、完成画像そのもののサイズを指定できるかを検証した。

使用したのは、パンタの公式4面図である。

これまで使用してきた、

「パンタ Tポーズ・4方向キャラクター設定画 Ver.1.0」

のプロンプトを基本的に維持し、新たに画像サイズの指定を追加した。

指定したサイズは、

横1200px × 縦400px

である。

プロンプトには、単なる構図上の目安ではなく、

完成した画像ファイルそのものを正確に1200×400pxにする

ことを明記した。

比較のため、サイズを指定しない状態でも同じパンタのTポーズ4方向画像を生成した。

サイズ指定なしで生成された画像は、

2172×724px

であった。

続いて、

1200×400px

を明示して生成した。

生成された画像を保存し、実際のピクセルサイズを確認した結果、

2089×753px

であった。

指定した1200×400pxとは大きく異なっている。

したがって今回の実験では、

プロンプト本文に完成画像のピクセル寸法を明記しても、完成ファイルをその寸法に正確に制御することはできなかった。

と判断した。

ここで重要なのは、画像が「横長に見えるか」「指定した構図に近いか」ではない。

今回検証しているのは、

完成した画像ファイルそのものが指定したピクセル寸法になっているか

である。

その基準では、画像サイズ指定は成功しなかった。


第3章 キャラクターそのものを250pxにできるか

次に、画像全体ではなく、画像内部に描かれるキャラクターそのもののサイズを指定する実験を行った。

これは本研究において、以前から何度も検証してきた課題である。

ゲーム素材を制作する場合、

キャラクターの身長を250pxにする

といった正確なサイズ指定が可能になれば、そのままゲーム用素材として利用できる可能性がある。

しかし、これまでの画像生成実験では、このような数値指定を正確に反映することはできなかった。

今回は画像生成AIの進化を確認するため、この実験を再度行った。

画像全体のサイズは指定しなかった。

その代わり、パンタの高さを、

耳の最上端から足先の最下端まで=250px

と明確に定義した。

さらに、

正面・右側面・背面・左側面の4体すべてを正確に高さ250pxにする

ことをプロンプト内で繰り返し指定した。

生成後、画像を保存して実際のサイズを計測した。

生成画像全体のサイズは、

2089×753px

であった。

そしてパンタの実際の高さは、

約574px

であった。

指定した高さは250pxである。

実測値は指定値の約2.3倍となり、単なる数ピクセル程度の誤差ではない。

したがって、

画像内部のキャラクターそのものを、プロンプトによって正確なピクセル寸法に制御することは、今回の再検証でもできなかった。

という結果になった。


第4章 できるようになったこと、できなかったこと

今回の再検証では、画像生成AIの進化を確認できた部分と、以前と同様に正確な制御ができなかった部分の両方が確認された。

まず、大きな変化として確認できたのが、

既存画像の背景透明化

である。

一度保存したキャラクター画像をChatGPTへ再入力し、背景を除去することができた。

今回の画像については、実制作に使用できる十分な品質であった。

一方、数値によるピクセル単位の制御については異なる結果となった。

完成画像を1200×400pxにする。

この指定に対する実際の画像は、

2089×753px

であった。

また、

パンタの高さを250pxにする。

という指定に対しては、

約574px

となった。

したがって今回の実験では、

画像全体の絶対的なピクセルサイズ

および、

画像内部のキャラクターの絶対的なピクセルサイズ

のどちらについても、プロンプトによる正確な数値制御は確認できなかった。


第5章 現在の制作工程を再確認する

今回の結果から、現在の画像生成AIと人間の役割分担を改めて整理することができる。

画像生成AIには、

キャラクター画像の生成

公式画像を参照したデザインの維持

Tポーズへの変更

4方向設定画の制作

既存画像の背景透明化

などを担当させることができる。

一方、

完成画像そのものの正確なピクセルサイズ

キャラクターそのものの正確なピクセルサイズ

ゲーム画面内で使用するための正確な配置位置

などは、現時点では人間が最終調整する必要がある。

これは、本研究でこれまで採用してきた制作方法とも一致する。

AIによって候補となる画像を生成し、人間が採否を判断する。

そして最終的なゲーム素材として使用する段階では、人間が透明キャンバス上でキャラクターの大きさや位置を決定する。

今回の再検証によって、背景透明化についてはAIへ任せられる範囲が広がった。

一方、ピクセル単位の最終調整については、現在も人間が担当するという制作方法が妥当であることを再確認した。


第6章 「できない」という結果も更新される

今回の実験で重要なのは、個々の機能の成否だけではない。

AIを利用した制作では、

一度「できない」と確認したことを、永久にできないものとして扱うことはできない。

ということである。

画像生成AIは急速に変化している。

以前できなかった機能が、モデルやシステムの更新によって利用できるようになる可能性がある。

今回、背景透明化については実制作に利用できる可能性を確認できた。

一方、画像サイズやキャラクターサイズの正確なピクセル指定については、今回の再検証でも実現できなかった。

つまり、

以前の検証結果には、現在も有効なものと、更新する必要があるものが存在する。

AIを使用したゲーム開発では、この違いを継続的に確認していく必要がある。


第7章 AI時代の制作標準は変化し続ける

従来の制作マニュアルでは、一度確立された工程を標準化し、その方法を繰り返し使用することができた。

しかしAIを中心とした制作環境では、その考え方だけでは十分ではない。

AIそのものが変化するからである。

今日できないことが、次の更新ではできるようになるかもしれない。

逆に、新しい機能が追加されたとしても、実制作で必要とする精度に達しているとは限らない。

そのため、

以前できなかったことを再検証する。

できるようになった機能は制作工程へ取り入れる。

依然としてできない部分は人間が担当する。

そして、その結果に応じて制作ワークフローそのものを更新していく。

これもまた、AI時代のゲーム開発に必要な方法論の一つである。

今回の実験では、背景透明化という新たに実用可能な工程を確認すると同時に、ピクセル単位の数値制御については、これまでの検証結果が現在も有効であることを確認した。

AIの能力を一度評価して終わるのではない。

AIの進化に合わせて、過去の結論そのものを再検証する。

今後もAIの機能に変化が見られた場合には、その都度実際の制作工程の中で検証し、AIゲーム開発の方法論を更新していく。