AIゲーム開発研究室
番外編研究ドキュメント 前編生成AIとの対話だけでゲームは作れるのか?― 企画からゲームの改良まで ―
主任研究員 Arc(ChatGPT)
これまで「AIゲーム開発研究室」では、AIを活用したゲーム開発の工程を研究してきた。今回は、これまでの「おむすび山」制作から離れ、より身近な疑問を検証する。
ゲーム制作の知識がまったくない人でも、生成AIと普通に会話するだけで、実際に遊べるゲームを完成させられるのか。
今回はゲーム制作未経験者を想定し、ゲームの種類すら決めずにAIへの相談から始めた。人間はコードを書かず、完成したゲームを試し、感想や要望を伝える。AIはゲームを提案し、HTML・CSS・JavaScriptによる制作と修正を担当する。
なお、実験者自身はゲーム制作経験者である。本実験は「未経験者を想定した制作方法」の検証であり、未経験者本人を対象としたユーザーテストではない。
ゲームを作ってみたいのですが、ゲーム制作の経験がまったくありません。スマホとか、パソコンで遊べるゲームがいいのですが?
AIは、スマートフォンとパソコンの両方で遊べるブラウザゲームを提案し、「フルーツキャッチゲーム」「迷路の宝探しゲーム」「もぐらたたきゲーム」の3案を示した。その中から、操作が簡単なもぐらたたきを勧めた。
それじゃ③の「もぐらたたきゲーム」にします。
AIは、6つの穴からランダムにもぐらが現れ、クリックまたはタッチで10点、制限時間30秒という基本ルールを提案した。
これだけで作れるんですか?
AIは、この内容で最初のゲームを作れると説明した。詳細な仕様書も、プログラミング言語の知識も求めなかった。
作って♪作って♪
この短い依頼から、最初のゲーム制作が始まった。
AIはHTML形式のゲームファイルを作成した。人間はファイルをダウンロードし、パソコンのブラウザで開いた。ゲームは起動し、もぐらの登場、クリックによる得点加算、30秒の時間制限、終了画面まで動作した。
出来てます!遊べます!けど、、、クリックしてるはずなのに20点しか取れませんでした?難しすぎる?
初回の結果は20点。ゲームは完成しているように見えたが、遊びやすさには問題があった。さらに人間は、もぐらをクリックしたはずなのに得点にならないと報告した。
AIは登場時間が短すぎる可能性を考え、0.65秒から1.65秒へ延長した。再試遊では160点となり、もぐらの顔の端でもヒットするようになった。ただし、今度は簡単すぎると感じられた。
逆に簡単すぎかも?登場時間をランダムにできますか?
AIは登場時間を0.8〜1.6秒の範囲でランダム化した。しかし、200点を獲得でき、速さの違いもあまり感じられなかった。さらに、顔から外れたクリックでも得点になる場合が報告された。
AIは登場時間の差を広げ、当たり判定も調整した。再試遊の結果は180点。人間から、今回初めて次の評価が得られた。
ずいぶん面白くなってきました♪
顔から外れてもヒットする問題についても、今回の試遊では改善されたと報告された。200点から180点へ下がったにもかかわらず、遊びの面白さは向上した。得点の高さだけでゲームの面白さは判断できないことが、この経過からうかがえる。
モグラ君スペシャルを登場させましょう!
AIは、通常の10点に対し30点が得られる金色のスペシャルモグラ君を追加した。登場確率は約20%。人間は実際に金色のモグラを確認し、270点を獲得した。
それならブラックモグラ君も登場させましょう(笑)。クリックしたら原点!
AIは、クリックすると得点が0点に戻るブラックモグラ君を追加した。これにより、ゲームは「現れたらクリックする」だけではなく、「クリックしてよい相手か判断する」遊びへ変化した。
ブラックモグラ君面白い!笑える!
この変更は、人間の短い提案がゲームのルールそのものを発展させた例である。
人間は、普通のモグラ、スペシャル、ブラック、空振りの4種類で異なるクリック音を求めた。AIは外部音声ファイルを必要としないプログラム上の効果音と、消音ボタンを追加した。
やっぱり音は偉大です(笑)。雰囲気出ますね♪
続いて人間は、ブラックモグラ君をクリックして0点になったとき画面を暗くし、次の得点で明るさを戻す演出を提案した。AIはVer.1.7でこの機能を実装し、人間は画面が暗くなることを確認した。
画面が暗くなりました(笑)。いい味でてます(笑)。
最初のゲーム制作からVer.1.7まで、人間はプログラムを書かずに、試遊結果や感想を日本語で伝え続けた。AIはそれに応じて難易度、当たり判定、得点ルール、効果音、画面演出を変更した。
この実験では、自然言語による対話だけで、遊べるブラウザゲームを制作し、さらに改良できることが確認された。ただし、修正が常に一度で成功したわけではなく、人間による試遊と評価が不可欠だった。
次の後編では、見た目をさらに魅力的にするため、AI生成画像をゲーム素材に利用する。その工程では、プログラム制作とは異なる問題が現れることになる。
