AIゲーム開発研究室
第1回 AIとBlenderの連携はどこまで可能なのか
AIとBlenderの連携はどこまで可能なのか
研究代表 大川 博
主任研究員 Arc(ChatGPT)
BlenderとAIを連携させることができる。この情報をきっかけに、ChatGPTとBlenderの連携について調査を開始した。
これまでAIゲーム開発研究室では、Tripoによる3Dモデル生成、Blenderによるモデル加工、Mixamoによるアニメーション設定、Unityによるゲーム実装などを研究してきた。
今回、BlenderにもAIとの直接連携を可能にする技術が存在することが分かった。本稿では、実際の接続実験に入る前に、現在利用できるAI連携技術と、その可能性を整理する。
現在、ChatGPTとBlenderを組み合わせる方法には、いくつかの段階がある。
操作支援:ChatGPTが操作方法を説明し、人間がBlenderを操作する。
スクリプト連携:ChatGPTがPythonコードを生成し、人間がBlenderで実行する。
直接連携:MCPなどを利用してAIがBlenderを操作する。
工程の連続処理:AIが複数の制作作業を連続して実行する。
最初の二つは、現在の研究環境でも取り組める。直接連携には接続環境が必要であり、複数工程の連続処理については実用性の検証が必要となる。
今回の調査で特に注目したのが、MCP(Model Context Protocol)という技術である。
MCPは、AIと外部のソフトウェアやデータを接続するための仕組みである。BlenderにはPython APIがあり、オブジェクトの生成や編集、データ取得、ファイル出力などをプログラムから実行できる。
MCPを利用することで、AIからBlenderの機能を呼び出す仕組みを構築できる。Blender公式でもMCPサーバーが公開され、シーンの解析やポリゴン数の調査などの実例が紹介されている。
ただし、MCPを導入するだけですべての3D制作作業が自動化されるわけではない。現在使用しているブラウザ版ChatGPTから直接Blenderを操作するための利用条件や接続方法についても、今後確認する必要がある。
本研究の目的は、AIによるBlender操作そのものではない。
AIを中心とした3Dゲーム開発において、Blenderをどのように活用できるかを明らかにすることである。
これまでの研究では、Tripoで生成した3DモデルをBlenderで加工し、Mixamoでアニメーションを設定して、Unityへ取り込む工程を検証してきた。
今回のAI連携技術は、モデルのポリゴン数の調査、軽量化、マテリアル設定、リギング支援、アニメーションの加工、FBX出力など、既存の制作工程に応用できる可能性がある。
これらの作業がChatGPTとの連携によってどこまで正確かつ実用的に処理できるかは、今後の実験によって確認する。
AIゲーム開発研究室では、すでにUnityとChatGPTの連携を研究してきた。この研究では、人間がChatGPTと対話し、ChatGPTが作成したプロンプトを人間がUnity側のAIへ受け渡す方法を採用した。
今回のBlender研究でも、この方法を有効な連携方式として扱う。直接接続や完全自動化だけを目指すのではなく、現時点で利用できる技術を組み合わせ、実際にゲームを制作できることを重視する。
これまでの3Dモデル制作では、高精細モデルの軽量化、法線の問題、Mixamoによる手首のねじれなど、実制作上の課題が発生した。今後は、こうした問題の解決にもAIを活用できるか検証する。
本研究では、実際の3Dゲーム制作と並行して、必要な工程にAI連携を導入する。実制作に関係のない実験を無理に増やすことはしない。
まずはChatGPTによるBlender操作支援やPythonスクリプト生成を活用し、必要に応じてMCPによる直接連携も検証する。
Blenderは最新の安定版へ適宜更新し、AI技術の進歩に応じて研究環境も見直す。各実験では、AIと人間が担当した作業、具体的な操作方法、成功した点、問題が発生した点を記録する。
今回の調査によって、BlenderとAIを連携させるための技術が、すでに利用可能な段階にあることが分かった。
しかし、それによって3Dゲーム制作のどこまでをAIが担えるのかについては、まだ明らかになっていない。
本研究では、その可能性を予測だけで論じるのではなく、実際の制作を通じて確かめていく。
AIとBlenderの連携によって、3Dゲーム開発はどのように変わるのか。
その答えを、これからの実験によって探っていく。
