702講義室
2026-07-20 12:54:00
私たちは、過去に起きた事実を変えることはできません。
しかし、その事実に対する意味や価値は変わることがあります。
それは、私たちの内部表現が変化するからです。
例えば、友達に一万円札を渡して、
「三千円分だけ宝くじを買ってきて。」
と頼んだとします。
ところが友達は、一万円分すべて宝くじを買ってきました。
私は、
「ちゃんと話を聞いていなかったのか!」
と怒ります。
事実として、予定より七千円多く使われたことになります。
つまり、その時点では七千円損をしたと考えていたのです。
ところが、その宝くじが一億円当たりました。
すると、私は怒るどころか、友達に心から感謝します。
ここで変わったのは何でしょうか。
友達が一万円分の宝くじを買ったという事実は変わっていません。
七千円多く使ったという事実も変わっていません。
変わったのは、その事実を理解する私の内部表現です。
七千円の損失を見ていた内部表現が、一億円を手にした現在の内部表現へと変化したことで、同じ出来事がまったく違う意味を持つようになりました。
その結果、怒りは感謝へと変わったのです。
もう一つ例を見てみましょう。
若い頃、町で評判のワルだった人がいました。
当時は、そのことを人生最大の失敗だと思っていました。
「あんなことをしなければよかった。」
「思い出したくもない。」
そう後悔していたのです。
ところが、その後努力を重ね、会社を興し、町でも有数の会社の社長になりました。
すると今度は、
「若い頃の失敗があったからこそ、今の成功がある。」
「失敗したからこそ、成功できたんだ。」
と、誇らしげに語るようになります。
ここで変わったのは何でしょうか。
若い頃にワルだったという事実は変わっていません。
過去も変わっていません。
しかし、「人生最大の失敗」だった出来事が、「成功するために必要だった経験」へと変わっています。
変わったのは過去ではありません。
その過去を理解する内部表現です。
この二つの例には共通点があります。
どちらも事実は変わっていません。
変わったのは、その事実に対する意味です。
私たちは、新しい情報を得たり、人生経験を積んだりすることで、内部表現を少しずつ更新しています。
そして、内部表現が変化すると、同じ事実でもまったく違う意味を持つようになります。
つまり、
事実は変わりません。
しかし、
内部表現が変わることによって、現実は変わるのです。
もちろん、過去の出来事や外の世界そのものが変わったわけではありません。
変わったのは、私たちが認識し、理解している現実です。
私たちは、内部表現を通して世界を見ています。
だからこそ、内部表現が変わると、同じ世界であっても、まったく違う現実として見えるようになるのです。
