AIゲーム開発研究室

2026-08-18 08:51:00

実装前に不足したキャラクター素材を追加制作する

AIゲーム開発ドキュメント

第28回 実装前に不足したキャラクター素材を追加制作する

ゲームの実装設計を進めたことで、パンタに新たなキャラクター素材が必要であることが分かった。

必要になったのは、ゲーム中のキャラクター交代時や終了時などに使用する「大喜び」のアクションである。

当初の素材設計では想定していなかったが、実際のゲームの動きを具体的に考えていく中で必要性が明らかになった。

そこで、実装へ進む前にいったん素材制作へ戻り、パンタの追加画像を制作することにした。


連続アニメーションを作らせない

これまでの実験では、生成AIに歩行などの連続した動作を一度に制作させた場合、足の運びやポーズの連続性を正確に制御することが難しかった。

そこで今回は、完成したアニメーションそのものを生成AIに作らせる方法を採用しなかった。

生成AIには、

「大喜びしているパンタの異なるポーズを複数制作する」

ことを求めた。

実際のジャンプや上下移動などは、画像として描かせるのではなく、Unity側で制御する。

つまり、

画像生成AIには「ポーズ」を作らせ、ゲーム上の「動き」はUnityで作る。

という役割分担である。


「違うポーズ」を言葉で定義する

しかし、単に、

「違う喜びのポーズを複数作ってください」

と指示しただけでは、腕の位置だけが少し違う、ほとんど同じ画像が生成される可能性がある。

そこで今回のプロンプトでは、ポーズの違いを具体的に言語化した。

  • 腕の位置を変える
  • 脚の位置を変える
  • 身体の傾きを変える
  • 左右への重心移動を変える
  • 表情を変える

重要なのは、

「差分を作るために、身体のどこを変化させるのか」まで言語化したこと

である。

その結果、顔の向きも含め、身体全体の動きが異なる7種類の大喜びポーズが生成された。

単なる腕の差分ではなく、身体全体の重心やシルエットが異なる素材を得ることができた。

生成された画像の中から必要なポーズを選択し、Unity側の動きと組み合わせてゲーム内のアクションとして使用する。

 

ChatGPT Image 2026年8月17日 11_19_11.png

 

「イラスト」から「ゲーム素材」へ変換する制作工程

今回も、人間による加工を経て、大喜びしているパンタの素材を完成させた。

パンタ大喜び01.pngパンタ大喜び02.pngパンタ大喜び03.pngパンタ大喜び04.pngパンタ大喜び05.pngパンタ大喜び06.pngパンタ大喜び07.png

 


実装設計から素材制作へ戻る

今回、もう一つ重要だったのは、ゲーム開発の工程が一方向には進まなかったことである。

素材制作が終わったから実装する。

それだけではなかった。

実装方法を具体的に考えたことで不足している素材が判明し、再び素材制作へ戻った。

設計
→ 素材制作
→ 実装設計
→ 不足素材の発見
→ 素材制作へ戻る
→ 実装

という流れが実際に発生したのである。

これは失敗による後戻りではない。

実装を具体化したからこそ発見できた、新たな制作条件である。

AIを利用したゲーム開発においても、最初にすべてを決めて一本道を進むのではなく、制作と実装を往復しながら必要なものを発見していく。

今回のパンタの追加素材制作は、その「戻り」が実際の制作工程の一部であることを示す実例となった。


今回使用したプロンプト

以下が、今回パンタの「大喜び」素材を制作するために画像生成AIへ入力したプロンプトである。


森のどんぐり大作戦

パンタ 大喜びアクション素材 制作プロンプト Ver.1.1

制作目的

2Dゲーム「森のどんぐり大作戦」に使用する、

パンタの「大喜び」アクション素材

を制作してください。

ゲームクリア時、キャラクター交代時、登場シーンなどで使用できる、パンタらしい元気でかわいい喜びのポーズを複数制作します。

生成されたポーズの中から、最終的に3カット程度を選び、ゲーム内の喜びアクションとして使用します。


使用する基準画像

添付する

「パンタ キャラクターマスター(公式基準画像)」

を必ず基準画像として使用してください。

以下のデザインを忠実に維持してください。

  • 顔
  • 耳
  • 目の周囲の黒い模様
  • 丸く大きな体形
  • 白黒の毛並み
  • 手足の太さ
  • キャラクター全体の柔らかな水彩表現
  • 青いリュック

特に、

青いリュックは必ず背負わせてください。

喜びのポーズによってリュックが消えたり、別の形になったりしないようにしてください。


アクション

パンタが、

「やったー!」と大喜びしている瞬間

を表現してください。

ただし、今回はジャンプアニメーションそのものを制作するのではありません。

パンタの足は地面についている状態にしてください。

ジャンプや上下移動はゲーム実装時にUnity側で行います。

そのため、画像内ではパンタ自身を空中に浮かせないでください。


喜びポーズのバリエーション

同じポーズを繰り返すのではなく、

身体の動きがはっきり異なる複数の喜びポーズ

を制作してください。

例えば、

  • 両手を高く上げて大喜びする
  • 両手を左右に大きく広げる
  • 片手を高く上げ、もう片方の手を横に広げる
  • 両手を胸の近くまで引き寄せ、うれしそうに力を込める
  • 身体を少し左右どちらかへ傾けながら喜ぶ
  • 胸を張って誇らしそうに喜ぶ

など、

シルエットを見ただけでも違いが分かるポーズ

にしてください。


重心の変化

単純に腕の形だけを変えないでください。

各ポーズで、

パンタの身体全体の重心を変化させてください。

例えば、

  • 重心が中央
  • 少し左脚側へ重心を移す
  • 少し右脚側へ重心を移す
  • 身体を少し左へ傾ける
  • 身体を少し右へ傾ける
  • 胸を張って上半身を少し伸ばす

など、

身体全体を使って喜びを表現してください。

ただし、

転びそうな極端な傾きにはしないでください。

ゲームキャラクターとして自然に成立する範囲にしてください。


足のポーズ

足の形もすべて同じにしないでください。

  • 両足を自然に開く
  • 片足を少し前へ出す
  • 片足を少し横へ出す
  • 膝を少し曲げる
  • 左右どちらかの脚に重心を乗せる

など、上半身の動きに合わせて自然に変化させてください。

ただし、

両足の少なくとも一部は地面に接している状態

にしてください。

ジャンプしているポーズにはしないでください。


表情

パンタらしい、

非常にうれしそうな表情

にしてください。

表情にも少し変化をつけてください。

  • 大きな笑顔
  • 口を開けた満面の笑顔
  • 口を閉じたうれしそうな笑顔
  • 目を少し細めた笑顔

などを混ぜてください。

すべて同じ顔にしないでください。

ただし、パンタの顔そのもののデザインは変更しないでください。


籠について

籠は持たせないでください。

今回は喜びアクション専用素材です。


リュックについて

青いリュックは必須です。

パンタが腕を上げたり身体を傾けたりしても、リュックは背中に自然に装着された状態を維持してください。


背景

背景は完全な透明にしてください。

白背景、単色背景、森、地面、影、装飾などは描かないでください。

パンタだけの独立したゲーム素材にしてください。


重要事項

今回の目的は、

完成した連続アニメーションを一度に作ることではありません。

まず、

パンタの喜びを表現する、異なる複数のポーズ候補を制作すること

が目的です。

生成された候補を人間が確認し、その中からゲームアクションとして自然につながる3カット程度を選択します。

したがって、

無理に連続動作として整合させるより、それぞれのポーズの違いと表情の豊かさを優先してください。


禁止事項

  • パンタのキャラクターデザインを変更しない
  • 青いリュックを消さない
  • 籠を持たせない
  • どんぐりを持たせない
  • 空中に浮かせない
  • ジャンプさせない
  • 全カットを同じポーズにしない
  • 腕だけを変えて身体を同じ姿勢にしない
  • 全カットを同じ表情にしない
  • 背景を描かない
  • 地面や影を描かない
  • 文字を入れない

パンタらしい、見ているだけで「やったー!」という声が聞こえてきそうな、元気でかわいい大喜びのポーズを複数制作してください。


こうして、実装に必要なパンタの追加素材が揃った。

そして今回の制作によって、

「異なるポーズを作れ」と指示するだけではなく、何を変化させれば異なるポーズになるのかを言語化する。

という、画像生成AIによるゲーム素材制作の新たな方法も確認することができた。

 

次はいよいよ、これまで制作してきた素材をUnityへ持ち込み、実際のゲームとして動かしていく。

2026-08-17 01:40:00

森のどんぐり大作戦 ゲーム実装設計書 Ver.1.0

森のどんぐり大作戦

ゲーム実装設計書 Ver.1.0

AIゲーム開発研究室


1.制作目的

本設計書は、「おむすび山のなかまたち」に収録するミニゲーム、

「森のどんぐり大作戦」

をUnityで実装するための基本設計を定めるものである。

最初からゲーム全体の構造を設計したうえで、実装作業そのものは小さな工程に分割し、

実装 → 実行 → 確認 → 修正 → 次工程

を繰り返しながら完成させる。


2.「おむすび山のなかまたち」全体構造

「おむすび山のなかまたち」は、一つのゲームだけで構成される作品ではない。

絵本と複数のミニゲームから構成される、一つの世界全体を楽しむ作品

として設計する。

「森のどんぐり大作戦」は、その中に収録される最初のミニゲームである。


3.基本メニュー構成

ゲーム起動後、まず「おむすび山のなかまたち」の表紙を表示する。

表紙からメニュー画面へ進み、基本的には次の遊び方を選択できる構造とする。

絵本コース

初めてプレイする人を基本対象とする、本編となるコース。

絵本を順番に読み進め、その物語の中でミニゲームが発生する。

絵本
↓
ミニゲーム
↓
絵本の続き
↓
次のミニゲーム

という流れで「おむすび山」の世界を体験する。

絵本は物語の区切りごとに最初から表示する。

既に読んだ部分については、プレイヤー自身がページを進めることで読み飛ばすことができる。

ゲーム自由選択コース

基本的には、絵本コースを最後まで体験した後に利用する。

収録されているミニゲームの中から、好きなゲームを自由に選択して遊ぶ。

各ミニゲームは独立したUnity Sceneとして制作し、後から新しいゲームを追加できる構造とする。

絵本だけを読む

ミニゲームを行わず、制作した絵本だけを連続して読むことができる。

森を見に行く

累計どんぐりポイントによって変化していく森を鑑賞する。

ゲーム性は持たせず、豊かになっていく森そのものを楽しむ、ご褒美となる場所とする。


4.進行状態とどんぐりポイント

絵本コースでは、ゲームの進行状態を保存する。

次回起動時には、

「つづきから」

を基本とする。

「つづきから」を選択した場合、それまでに獲得したどんぐりポイントも継続する。

一方、

「最初から」

を選択した場合は、絵本コースを最初から開始し、どんぐりポイントも0から開始する。

絵本コース終了後、自由選択コースへ移行する際には、絵本コースで獲得したどんぐりポイントを、

継続する/継続しない

からプレイヤー自身が選択できる構造とする。


5.どんぐりポイントと森の変化

各ミニゲームで獲得したどんぐりは、累計どんぐりポイントとして蓄積する。

ポイントが増えることで、ご褒美画面となる森が少しずつ豊かになっていく。

植物が増える。

木々が豊かになる。

生き物が増える。

森が明るく、生き生きとしていく。

ここには勝敗を設けない。

どんぐりを集める
↓
森が豊かになる
↓
変化した森を見ることが楽しい
↓
またどんぐりを集めたくなる

という循環を作る。


6.今回の実制作範囲

今回実制作するのは、

「森のどんぐり大作戦」

である。

対象プラットフォームは、まずPCとする。

スマートフォン、タブレット等への対応は、PC版完成後に必要に応じて検討する。


7.森のどんぐり大作戦・基本ルール

森の中で、上から次々と落ちてくるどんぐりを、キャラクターが籠でキャッチする。

どんぐりはゲーム開始から終了まで、継続して落下する。

キャラクターは、

パンタ
リン
ミミ
コンタ
ポン

の5人。

最初に登場するキャラクターは、必ずパンタとする。

その後の、

リン・ミミ・コンタ・ポン

の登場順はランダムとする。

同一プレイ内では、それぞれ1回ずつ登場する。


8.ゲーム開始

今回の実制作では、ゲーム開始確認用として仮の表紙を用意する。

表紙から「森のどんぐり大作戦」の通常ゲームSceneへ移動する。

Scene開始とともに、森ではどんぐりの落下が始まる。

その後、

パンタが画面中央の地面下から、垂直ジャンプして登場する。

この登場ジャンプは、Unity側のプログラムによって行う。


9.キャラクターの基本動作

パンタが着地するとプレイヤー操作を開始する。

入力なし

その場で、

垂直小ジャンプ待機

を続ける。

右移動

右矢印キー または Dキー

で右方向へ移動する。

移動中は、制作済みの右方向ジャンプアクション素材を使用する。

左移動

左矢印キー または Aキー

で左方向へ移動する。

移動中は、左方向用のジャンプアクションを使用する。

必要に応じて既存素材の左右反転を利用する。


10.ジャンプの扱い

通常プレイ中のジャンプ動作は、Unityの物理演算によってキャラクターそのものをジャンプさせるものではない。

ジャンプの上下動は、制作済みのキャラクター素材の中に含まれている。

したがって通常の待機・左右移動について、プログラム側でジャンプ量を設定する必要はない。

プログラムによる上下移動を使用するのは、基本的に、

キャラクター登場時の垂直ジャンプ

である。


11.どんぐりの発生

どんぐりは、通常ゲームScene開始から終了まで継続して発生する。

画面上端の左から右まで、横幅全域のさまざまな位置からランダムに出現する。

森ではどんぐりが豊かに実っているため、キャラクター交代中も落下を停止させない。

どんぐりの、

発生間隔
同時出現数
発生量

などの具体的数値は、この段階では固定しない。

Unity上で実際にプレイしながら決定する。


12.どんぐりの落下

どんぐりには基本的に、

Rigidbody2D
+
Collider2D

を使用する。

UnityのPhysics 2Dによる重力を利用して落下させる。

どんぐりは落下しながら回転する。

具体的な、

Gravity Scale
回転速度

などは、Unity上で実際のゲーム画面を確認しながら調整する。

物理的に正しい落下を再現することを目的とはしない。

プレイヤーが見つけやすく、追いかけやすく、キャッチして楽しい落下

を基準として調整する。


13.どんぐりのキャッチ判定

キャラクターが持つ籠にCollider2Dを設定する。

落下してきたどんぐりが籠のCollider2Dへ接触した瞬間、

キャッチ成功

と判定する。

キャッチされたどんぐりは、その瞬間に消去する。

同時に、

獲得どんぐり数 +1

とする。

籠の中へ物理的にどんぐりを残す処理は行わない。

画面下部まで落下してキャッチされなかったどんぐりも消去する。

落としたことによる減点や失敗判定は設けない。


14.ゲームは時間制とする

キャラクター1人あたりのプレイは時間制とする。

取得個数による終了条件は設けない。

制限時間内であれば、何個でもどんぐりを取得できる。

1キャラクターあたりの具体的な制限時間は、この段階では決定しない。

どんぐりの発生量、落下速度、キャラクターの移動速度などをUnity上で確認し、

実際に遊んで楽しい時間

を基準として決定する。


15.キャラクター交代

各キャラクターの制限時間が終了すると、プレイヤー操作を停止する。

その後、

籠を持っていない喜びアクション

へ切り替える。

獲得数が何個であっても同じである。

0個でも大喜びする。

喜びアクションを行った状態のまま、そのキャラクターがいる位置から画面下へ沈み、退場する。

退場後、次のキャラクターが、

画面中央の地面下から垂直ジャンプして登場する。

着地後、次のキャラクターのプレイを開始する。

この間も、どんぐりは継続して落下する。


16.喜びアクション

喜びアクションは、

3カット程度

を基本として制作する。

厳密な連続アニメーションではなく、異なる喜びポーズを切り替えることで、大喜びしている状態を表現する。

喜びアクション中、キャラクターは籠を持たない。

これによって、

籠あり=プレイ中
籠なし=プレイ終了

という状態の違いを視覚的に示す。

まずパンタの3カット程度を制作し、Unity上で実装・検証する。

問題がなければ、後からリン、ミミ、コンタ、ポンへ展開する。


17.5人目終了後

5人目も他のキャラクターと同じように、

制限時間終了
↓
籠なしで大喜び
↓
喜びながら画面下へ退場

する。

ここで通常ゲームSceneを終了する。

その後、

エンディング・結果Scene

へ切り替える。


18.エンディングScene

エンディングSceneへ切り替わった後、少し間を置いて、

パンタ・リン・ミミ・コンタ・ポンの5人全員が、地面下から一斉に垂直ジャンプして登場する。

5人とも籠は持たない。

登場後、全員が喜びアクションを行う。

その状態を維持したまま、背景がじわっとエンディング用背景へ変化していく。


19.エンディング背景

エンディング背景は、通常ゲームで使用した森の中とは異なる、開放感のある風景とする。

基本要素は、

青空
おむすび山
小川
森

とする。

深い森の中で遊んでいたゲーム画面から、視界の開けた明るい風景へ移ることで、

森の中から外へ出たような解放感

を表現する。


20.結果表示

5人が大喜びしている状態で、今回獲得したどんぐりの合計数を表示する。

基本表示は、

「みんなで ○○こ あつめたよ!」

とする。

獲得数によるランク付けは行わない。

成功・失敗の評価も行わない。

0個であっても、5人は同じように大喜びする。

今回獲得したどんぐりは、累計どんぐりポイントへ加算する。


21.エンディング画面の終了

エンディングは一定時間が経過すると自動的に終了する方式にはしない。

プレイヤーが次の操作を行うまで、5人が喜んでいる結果画面を維持する。

将来的には、

もういちど遊ぶ
森を見に行く
もどる
おはなしのつづきへ

など、ゲームへ入った経路に応じた選択肢を表示する。

具体的なボタン構成は後の設計で決定する。


22.通常ゲームSceneの基本レイヤー

通常ゲーム画面は、おおむね次の前後関係で構成する。

上部前景・枝葉
ゲームUI
落下どんぐり
キャラクター
下部前景・草地
背景

実際のSorting LayerおよびOrder in Layerについては、Unity上で画面を確認しながら決定する。

特にどんぐり、上部枝葉、キャラクターの前後関係については、実際の見え方を確認して調整する。


23.UI

通常ゲーム中には最低限、

現在の獲得どんぐり数
残り時間

を表示する。

必要に応じて、

現在のキャラクター

などの情報を追加する。

UIの具体的なデザイン、位置、大きさについては、背景・前景・キャラクターをUnity上へ配置した後に設計する。


24.現在不足している素材

現時点で新たに制作が必要であることが確認された素材は、次のとおり。

パンタ喜びアクション

3カット程度

籠なし。

背景透明。

通常ゲームでの退場およびエンディングで使用する。

エンディング背景

青空、おむすび山、小川、森を基本とした、明るく開放感のある絵本世界の背景。

その他の不足素材については、Unity実装を進めながら確認する。


25.Unity実装の基本方針

完成した設計を一度にすべて実装しない。

小さな工程に分割し、一工程ごとに実行・確認する。

基本的には、

第1段階 Unityプロジェクト・Scene作成

↓

第2段階 背景・上下前景の配置

↓

第3段階 パンタの配置

↓

第4段階 パンタの垂直小ジャンプ待機

↓

第5段階 左右キー/A・Dによる左右移動

↓

第6段階 パンタ登場時の垂直ジャンプ

↓

第7段階 どんぐりの生成

↓

第8段階 Rigidbody2Dによる落下・回転

↓

第9段階 籠とのキャッチ判定

↓

第10段階 どんぐり獲得数のカウント

↓

第11段階 制限時間・タイマー

↓

第12段階 パンタ喜びアクション

↓

第13段階 喜びながら沈む退場処理

↓

第14段階 キャラクター交代システム

↓

第15段階 5キャラクターへの展開

↓

第16段階 エンディングScene

↓

第17段階 5人同時登場・喜びアクション

↓

第18段階 エンディング背景への変化

↓

第19段階 結果表示

↓

第20段階 累計どんぐりポイント・保存

↓

第21段階 ゲーム全体の通しプレイ

↓

第22段階 ゲームバランス調整

と進める。


26.Unity上で決定する調整項目

以下については、設計段階で数値を固定しない。

キャラクターの左右移動速度

キャラクター1人あたりの制限時間

どんぐりの発生間隔

どんぐりの発生量

同時に存在するどんぐり数

どんぐりのGravity Scale

どんぐりの回転速度

Colliderの大きさ

各キャラクターの表示サイズと位置

背景・前景の表示サイズと位置

UIの位置と大きさ

これらは、Unity上で実際にゲームを動かし、

視認性
操作性
楽しさ
絵としての美しさ

を確認しながら決定する。

通常プレイ時のキャラクターのジャンプ量については、制作済み素材の中で決まっているため、調整項目とはしない。


27.実装上の基本思想

本ゲームでは、必要以上に複雑なシステムを作らない。

Unity標準機能で実現できるものについては、まず標準機能を使用する。

どんぐりの落下についても、

Rigidbody2D + Collider2D

による単純なPhysics 2Dから実装する。

実際に問題が発生した場合にのみ、追加制御を検討する。

同様に、キャラクターアニメーションについても、複雑な自動生成や高度な制御を前提とせず、制作済みの画像素材を活用して構成する。


28.実装設計 Ver.1.0 の基本方針

「森のどんぐり大作戦」は、

豊かな森から次々と落ちてくるどんぐりを、5人の仲間たちが楽しみながら集めるゲーム

である。

勝敗を競うことを中心には置かない。

たくさん取れても楽しい。

少ししか取れなくても楽しい。

0個でもみんなで大喜びする。

そして集めたどんぐりは無駄にならず、累計され、

森そのものを少しずつ豊かにしていく。

ゲームを繰り返し遊ぶ理由は、より高い評価を得るためだけではない。

自分たちが遊ぶことで、「おむすび山」の世界が少しずつ楽しく、豊かになっていく。

その体験を、「森のどんぐり大作戦」の基本的なゲーム設計とする。


森のどんぐり大作戦
ゲーム実装設計書 Ver.1.0

 

以上

2026-08-14 21:37:00

第27回 ゲーム背景の実制作 ― AI生成素材を一つのゲーム世界へ統合する

AIゲーム開発ドキュメント

第27回 ゲーム背景の実制作

― AI生成素材を一つのゲーム世界へ統合する ―

前回までの検討によって、ゲーム「森のどんぐり大作戦」に必要となるキャラクター素材の制作方法について、一定の方針を定めることができました。

今回は、実際にゲームで使用する背景の制作を行います。

今回の目的は、単に生成AIに「ゲーム背景を一枚描いてもらう」ことではありません。

まず背景となる一枚の画像を制作し、さらにその手前に配置する枝葉や草地を独立した素材として制作します。

そして、それらを人間が加工・配置・色調補正し、一つのゲーム画面として統合していきます。


1.まず背景画像を制作する

最初に、ゲームの舞台となる「どんぐりの森」の背景画像を画像生成AIで制作しました。

 

背景素材.png

 

完成した背景画像は、

1536×1024px

でした。

この画像は3:2の比率であり、一般的な16:9のゲーム画面とは比率が異なります。

しかし今回は、この背景画像を16:9へ変形したり、トリミングして新しい画像を作ったりすることはしません。

生成された1536×1024pxの背景原画を、そのままゲーム素材として使用することにしました。

必要があれば色調補正は行いますが、画像そのもののサイズは変更しません。


2.背景だけではなく、前景を別素材として制作する

背景画像をゲーム画面として検討していくと、一枚の背景画像だけで画面を完成させるのではなく、その手前に別の植物を配置した方が、森の奥行きを表現できると考えました。

そこで、

画面上部の枝葉

ChatGPT Image 2026年8月13日 14_06_15.png

 

ChatGPT Image 2026年8月13日 14_16_43.png

と、

画面下部の草地

ChatGPT Image 2026年8月13日 14_27_28.png

 

ChatGPT Image 2026年8月13日 14_33_44.png

を、背景とは別の透明PNG素材として画像生成AIに制作させました。

上部の枝葉は、画面の手前に木々が存在していることを感じさせます。

下部の草地は、キャラクターのさらに手前に植物を配置することで、キャラクターが森の中に存在している感覚を作ります。

さらに下部には、短い草が密集した「草の地面ベース」も制作しました。

これによって、

背景
+ 上部の枝葉
+ 下部の草地
+ 草の地面ベース

という複数レイヤーによって、ゲーム背景を構成することにしました。


3.生成された素材のサイズは揃っていなかった

画像生成AIによって制作された素材は、すべて同じ画像サイズではありませんでした。

背景画像は、

1536×1024px

です。

一方、前景として制作した枝葉や草地には、

幅2048px

のものと、

幅2172px

のものがありました。

そこで前景素材については、人間が加工を行い、

幅2048px

に統一しました。

ただし、背景画像については1536×1024pxの原画を維持しています。

つまり今回の制作では、

すべてのゲーム素材を同じピクセルサイズに統一したわけではありません。


4.16:9のゲーム画面を想定した作業ファイルを作る

次に、実際のゲーム画面を想定して、16:9で確認できる作業環境を作りました。

ここで重要なのは、

背景画像を16:9の画像へ作り直したわけではない

ということです。

作業画面は、幅2048pxに統一した上下の前景素材を基準として構成しました。

そこへ1536×1024pxの背景原画を配置します。

そのため16:9のシミュレーション画面では、背景画像全体が表示されるのではなく、背景原画の中央付近がゲーム画面として見えている状態になります。

これはゲーム用背景の最終サイズを決定するための作業ではありません。

あくまで、

「実際に16:9のゲーム画面として見た場合、どのように見えるのか」

を確認するためのシミュレーションです。


5.すべての素材をレイヤーとして一つのファイルにまとめる

背景、上部の枝葉、下部の草地などを、それぞれ独立したレイヤーとして一つの制作ファイルへまとめました。

 

(仮16:9)ゲーム実行画面補正前.png

 

ここでは画像を一枚に結合してしまうのではありません。

それぞれを独立したレイヤーとして保持します。

そして実際のゲーム画面を見ながら、

枝葉の位置、

草地の位置、

素材の重なり、

左右反転、

不要部分の処理、

植物の密度

などを調整していきます。

この段階で重要なのは、個々の素材だけを見て完成させないことです。

最終的にプレイヤーが見るのは、一つ一つの素材ではありません。

すべてが重なったゲーム画面です。

そのため、

ゲーム画面全体を一枚の絵として見ながら、各素材を調整しました。


6.人間が色調補正を行う

今回、背景、枝葉、草地は、それぞれ別々に画像生成AIによって制作されています。

同じ水彩絵本風の画風を指定していても、それだけですべての素材の色彩が完全に統一されるわけではありません。

そこで人間が、

明度、

彩度、

色相、

コントラスト

などを調整しました。

しかも、それぞれの素材を単独で見ながら補正するのではありません。

背景、枝葉、草地を重ねた状態を見ながら、

一つの絵として自然に見えるように色調を合わせていきます。

 

(仮16:9)ゲーム実行画面.png

 

今回、別々に生成された背景、枝葉、草地が一つの森として見えるようになったのは、画像生成AIが最初から完全に同じ色彩で素材を生成したからではありません。

人間による画像加工と色調補正によって、一つの世界として統合した結果です。

この工程は、AIによるゲーム素材制作において重要な人間側の作業になると考えられます。


7.まず「一枚の絵」として完成させる

加工と色調補正を繰り返しながら、16:9のゲーム画面として全体を確認します。

ここでは、Unityへ持ち込むための個別素材を完成させることを先に考えるのではなく、

まずゲーム画面そのものを一枚の絵として完成させる

ことを優先しました。

上部には手前の枝葉があります。

中央には明るい森が広がっています。

下部には豊かな草地があります。

この前景と背景の重なりによって、単なる森の背景ではなく、

「森の中でゲームをしている」

と感じられる画面を作っていきました。


8.パンタを原寸のまま配置して確認する

背景画面が完成したところで、実際のキャラクターであるパンタを配置してみました。

 

(仮16:9)ゲーム実行画面002.png

 

ここでも、パンタの画像サイズは変更していません。

制作済みのパンタを原寸のまま仮配置しています。

そのため、現在のシミュレーション画面では、パンタが少し小さく見える可能性があります。

しかし、この段階では問題ありません。

今回確認したいのは、

背景の中でパンタを認識できるか、

草地との重なりが自然に見えるか、

キャラクターが森の中に存在しているように見えるか、

といった視覚的な問題です。

実際のゲームにおけるパンタの表示サイズや位置は、Unityへ実装した後に調整します。

したがって、このシミュレーション画像だけを基準としてパンタの原画を拡大・縮小することはしません。


9.落下するどんぐりも配置する

次に、ゲーム中に上から落下するどんぐりの素材を画像生成AIで制作しました。

どんぐり01.png

どんぐりは単なる背景の装飾ではありません。

プレイヤーがパンタを操作し、

追いかけ、

籠でキャッチする、

ゲーム上の重要な対象物です。

そのため、どんぐりには背景の中でも十分に認識できる視認性が必要になります。

実際にパンタと一緒に配置し、両者の見え方を確認しました。

ここでいうパンタとどんぐりの比率は、現実世界における物理的な縮尺を意味するものではありません。

パンタの籠の中に描かれているどんぐりと、落下するどんぐりの大きさを一致させる必要もありません。

重要なのは、

プレイヤーがパンタを操作しながら、落下するどんぐりを瞬時に認識し、追いかけることができること

です。

そこで、ゲームオブジェクトとして十分な存在感と視認性を持つことを基準として、パンタとの相対的な大きさを検討しました。

実際のゲームでは、どんぐりは回転しながら落下する予定です。

最終的な表示サイズや回転速度については、Unity上で実際に動かしながら調整します。


10.完成後、再びパーツへ分離する

16:9のゲーム画面として背景が完成しても、この一枚の画像をそのままゲーム背景として使用するわけではありません。

制作時には一つのファイルへ集めた、

背景、

上部枝葉、

下部草地、

その他の前景素材

を、完成後に再びそれぞれのゲーム素材としてエクスポートします。

 

枝葉素材.png

下草素材.png

 

つまり今回の制作では、

AIによる個別素材の生成
↓
人間による一つの制作ファイルへの統合
↓
加工・配置・色調補正
↓
ゲーム画面として完成
↓
再びパーツごとに分離してエクスポート

という工程を行いました。

そして、それぞれの素材をUnityへ持ち込みます。

Unity上では、実際のゲーム画面を確認しながら、

表示サイズ、

位置、

キャラクターとの関係、

UIとの関係

などを最終的に調整します。


今回の実制作から分かったこと

今回の背景制作では、画像生成AIに一枚の完成背景を制作させ、それをそのままゲームへ使用する方法は採用しませんでした。

背景、枝葉、草地などを独立した素材として生成し、それらを人間が一つの制作ファイルへ集めました。

そしてゲーム画面全体を見ながら加工し、色調を補正することで、一つの世界として統合しました。

完成後には、再びゲーム実装用の独立した素材へ分離します。

ここから分かるのは、

AIが生成した個々の画像素材と、実際にゲームで使用できる完成素材は、必ずしも同じものではない

ということです。

今回の制作では、

AIが素材を生成する。
人間が素材を加工する。
人間が色調を統一する。
人間がゲーム画面として構成する。
Unity上で最終的な表示サイズと位置を調整する。

という役割分担になりました。

また、背景1536×1024px、前景幅2048px、キャラクターなど、元となる画像素材のピクセルサイズがすべて統一されている必要もありませんでした。

重要なのは、素材の数値を機械的に揃えることではなく、

最終的なゲーム画面の中で、それぞれが適切な大きさ、位置、色彩、役割を持つように調整すること

です。

そして今回、もう一つ重要だったのが、

ゲーム背景を「素材の集合」としてだけではなく、最終的には一枚の絵として判断すること

でした。

「森のどんぐり大作戦」は、絵本「おむすび山」の世界の中で遊ぶゲームです。

ゲームとして機能することだけではなく、

絵本の世界そのものの中でキャラクターを動かしているように感じられること。

そのためには、AIによる素材生成だけでなく、人間による加工、色調補正、構図の判断が必要でした。

今回の実制作によって、

AIによる個別素材の生成と、人間による視覚世界の統合。

その両方を組み合わせることで、AI生成画像を実際のゲーム背景へと変えていく、一つの制作方法が見えてきました。

2026-08-12 16:23:00

第26回 ゲーム用背景画像を設計する

AIゲーム開発ドキュメント

第26回

ゲーム用背景画像を設計する


はじめに

前回までに、パンタの基本的なキャラクターアクション素材を制作した。

左右へ小さく跳ねながら移動するキャッチアクション。

そして、その場で上下に小さく跳ねながらどんぐりを待つ、待機キャッチアクション。

画像生成AIによって原画を制作し、人間が画像を選定・加工し、ゲームで使用するシーケンスファイルへ仕上げる。

ここまでの実験によって、現時点の画像生成AIを利用したキャラクターアクション素材制作に、一つの実用的な方法が見えてきた。

次に制作するのは、

キャラクターが実際に動く世界――ゲームの背景である。

しかし、背景も単に画像生成AIへ「森を描いてください」と指示すればよいわけではない。

絵本の背景と、ゲームの背景では役割が違う。

そこで今回は、いきなり背景画像を生成するのではなく、

「森のどんぐり大作戦」のゲーム画面として、背景をどのように構成するのか。

人間と対話AIによる設計会議から始める。


人間と対話AIによる背景設計会議

研究代表

パンタのアクション素材が完成したので、次は背景画像を作りたいと思います。

舞台は「どんぐりの森」です。

絵本で制作した森のような、木々に囲まれた美しい森を背景にしたいと思います。


主任研究員 Arc

ここで最初に一つ決めておきたいことがあります。

今回は「きれいな森の絵」を作ることから始めるのではなく、

ゲームが成立する森を設計する

ところから始めた方がよいと思います。

絵本の背景とゲームの背景では、同じ森でも役割が違います。


研究代表

ゲームでは、画面の上からどんぐりがランダムに落ちてきます。

パンタは画面下部を左右へ小さくジャンプしながら移動して、籠でどんぐりを受け止めます。

パンタの移動する一番下の部分に、背景とは別に細長い草地を置いたらどうでしょう。

草地を最前面にして、

背景の森、

パンタ、

草地、

という順番です。


主任研究員 Arc

それは有効だと思います。

背景の地面には木の根や草、岩などが描かれる可能性があります。

そこをパンタがそのまま移動すると、背景の岩を通り抜けたり、地面との接地が不自然に見えたりする可能性があります。

パンタより手前に草地を配置すれば、足元を自然に隠すことができます。

つまり、この草地は装飾ではなく、

背景とプレイヤーキャラクターの視覚的な不整合を吸収する前景パーツ

になります。


研究代表

上にも別パーツを置きたいです。

画面上部から木の枝葉が、屋根の軒のように少しかぶさっている。

少しシルエット的な枝葉にして、その上にUIを表示します。

どんぐりは、その枝葉の奥から落ちてくるようにしたいです。


主任研究員 Arc

そうすると画面は三つの美術レイヤーに分けられます。

最背面に森。

上部前景に枝葉。

下部前景に草地。

そして、その間にゲーム中のパンタと落下するどんぐりを配置する。

一枚の背景画像ですべてを表現する必要がなくなります。


研究代表

UIには何を表示するのか、どんなデザインにするのか、まだ決めていません。

でも枝葉が別パーツなら、UIが増えても対応できますね。


主任研究員 Arc

はい。

枝葉パーツを作り直す必要もありません。

Unity上で枝葉パーツを上下に移動させれば、UI表示領域を広げたり狭めたりできます。

つまり上部の枝葉は、

UI領域を後から調整できる可動前景

として機能します。


研究代表

それならゲーム画面の比率にも、かなり融通が利きそうですね。

背景は森の中だけですから、上下が多少切れても問題ありません。


主任研究員 Arc

その考え方でよいと思います。

背景の上下左右に、必ず画面内へ入れなければならない重要な建物や地形を配置しなければ、多少トリミングされても森として成立します。

したがって背景は、

画面端が多少切れても自然に見える構図

として制作します。

ゲーム画面の上下については、上部枝葉と下部草地という独立パーツによって調整できます。


研究代表

背景の森には、どんぐりは描かない方がいいですね。


主任研究員 Arc

これは重要です。

ゲーム中に落下するどんぐりは、プレイヤーがキャッチするゲームオブジェクトです。

背景にもどんぐりが描かれていると、

ゲームとして意味を持つどんぐりと、単なる背景のどんぐりが混在してしまいます。

ですから背景には、木になっているどんぐりも、地面に落ちているどんぐりも描かないことにしましょう。


研究代表

絵本を作ったときに素晴らしい森の絵ができたので、川や岩なども入れたくなったのですが(笑)。


主任研究員 Arc

気持ちは分かります(笑)。

ただ今回は、ゲームを優先した方がよいと思います。

川、橋、小屋、大きな岩などを入れると、背景としては豊かになりますが、ゲーム空間としての意味も発生します。

今回は、

「深いどんぐりの森の中」

というシンプルな舞台にする。

その代わり、大きなクヌギやナラ、遠くへ続く木々、草花、シダ、木漏れ日などによって、豊かな森を表現する。

ゲームを邪魔しない豊かな森

を目指します。


研究代表

パンタは正面を向いたまま左右へ移動するアクションなので、今回は背景固定でいいと思います。

ほかのキャラクターや別のゲームで背景スクロールを使う可能性はありますが、それは保留にします。


主任研究員 Arc

賛成です。

今回の背景制作実験では固定背景とします。

スクロールまで同時に検討すると、背景制作だけでなくキャラクター移動やカメラ制御まで検証対象が広がります。

まず固定背景で一つのゲームを成立させる。

スクロール背景については、必要になった時点で別途検討しましょう。


森のどんぐり大作戦

背景・画面構成仕様 Ver.1.0

今回の会議をもとに、背景制作仕様を次のように決定する。


基本方針

ゲーム画面全体を、

「どんぐりの森」の中

として表現する。

ただし、絵本のように一枚の絵ですべてを表現するのではなく、

背景と前景パーツを分離したレイヤー構造

によってゲーム画面を構成する。


背景レイヤー

最背面には、固定された森の背景画像を配置する。

背景には、

大きなクヌギやナラ、
森の奥へ続く木々、
草花、
シダなどの下草、
木漏れ日、

などを描き、豊かな森の奥行きを表現する。

ただし、ゲームプレイを妨げるような強い構造物は原則として配置しない。

川、橋、小屋、大きな岩などは今回は使用しない。

また、

背景にはどんぐりを一切描かない。

木になっているどんぐり、地面に落ちているどんぐりの双方を描かない。

ゲーム中に出現するどんぐりだけが、プレイヤーにとって意味を持つ対象となるようにする。

背景にはキャラクターも描かない。


下部前景レイヤー

画面下部には、背景とは独立した横長の草地パーツを配置する。

パンタは、

背景画像と草地パーツの間

に配置する。

これにより、パンタの足元を草によって自然に隠し、背景の地面に描かれた細かな形状との視覚的な不整合を軽減する。

草地はパンタより手前に表示する。


上部前景レイヤー

画面上部には、背景とは独立した横長の枝葉パーツを配置する。

枝葉は画面上から森の枝が張り出しているような形とし、ややシルエット的な表現とする。

この枝葉の上にUIを表示する。

枝葉パーツはUnity上で上下位置を変更できるようにし、

UI表示領域を調整するための可動前景

として使用する。

UIの内容やデザインが後から変更・追加された場合も、上部枝葉パーツを上下に移動させることで表示領域を拡大・縮小し、背景画像や枝葉パーツそのものを作り直さずに対応できる構造とする。


どんぐりの表示レイヤー

ゲーム中のどんぐりは画面上部からランダムに落下する。

表示上は、

背景画像より手前、上部枝葉より奥

に配置する。

これにより、どんぐりが枝葉の奥から森の中へ落ちてきたように見せる。

背景画像にはどんぐりを描かないため、落下するどんぐりだけが明確なゲームオブジェクトとして認識できる。


プレイヤーレイヤー

パンタは画面下部を左右へ移動する。

パンタの表示位置は、

背景画像より手前、下部草地より奥

とする。

前回までに制作した小ジャンプ移動アクションと、その場ジャンプによる待機キャッチアクションを使用する。


背景の構図

背景画像は、上下左右が多少トリミングされても森として自然に成立する構図とする。

画面端に、

建物、
橋、
川、
特徴的な巨大岩、

など、欠けると構図が破綻する重要物を配置しない。

背景画像そのものにゲーム画面全体の調整機能を持たせるのではなく、

上部枝葉と下部草地を独立させることによって、Unity上で画面構成を調整する。


カメラ

今回のゲームでは背景を固定する。

パンタは固定された森の中を左右へ移動する。

背景スクロールについては、今後ほかのキャラクターや別ゲームで採用する可能性を残すが、今回の背景制作では扱わない。


画面のレイヤー構造

最終的な表示順は、奥から手前へ、

森の背景
↓
落下するどんぐり
↓
パンタ
↓
上部枝葉・下部草地
↓
UI

を基本とする。

ただし、上部と下部は画面上で離れているため、それぞれ独立した前景パーツとして管理する。


今回の背景制作で最も重要な考え方

今回の検討によって、背景画像そのものを美しく作ることだけが目的ではないことが明確になった。

絵本では、

一枚の絵として完成された世界

を作る。

ゲームでは、

キャラクターやゲームオブジェクトがその中で機能できる世界

を作る。

そのため今回は、

森の背景、上部枝葉、下部草地を分離する。

変更される可能性のあるUI領域は、背景画像へ描き込まない。

ゲームとして意味を持つどんぐりも、背景へ描き込まない。

キャラクターの移動に影響する強い地形も、必要がなければ描かない。

つまり、

ゲーム背景では、何を描くかだけでなく、何を描かないかを設計する。

これを今回の背景制作における基本方針とする。


次回

今回、人間と対話AIによる設計会議によって、

「森のどんぐり大作戦 背景・画面構成仕様 Ver.1.0」

が完成した。

次回は、この仕様をもとに、実際に画像生成AIへ渡すためのプロンプトを作成する。

そして、

ゲーム用として設計した背景を、画像生成AIはどこまで意図どおりに制作できるのか。

 

実際の背景画像制作へ進む。

2026-08-10 12:53:00

第25回 その場ジャンプ(待機キャッチ)素材を制作する

AIゲーム開発ドキュメント

第25回

その場ジャンプ(待機キャッチ)素材を制作する


はじめに

前回は、パンタが左右へ移動するためのキャッチアクション素材を制作した。

これまで制作を試みてきた歩行アニメーションではなく、

「ちょん、ちょん」と小さく跳ねながら移動する

という新しいアクションを設計し、画像生成AIによって複数のポーズを生成した。

さらに、その生成画像から使用するポーズを人間が選択し、切り分け、画像加工、色調補正、サイズ・位置調整などを行い、ゲームで使用するシーケンスファイルとして完成させた。

しかし、これだけではパンタのキャッチアクションは完成しない。

プレイヤーが左右の矢印キーを押している間は、パンタは左右へ移動する。

そして、どんぐりの落下位置へ到達して矢印キーを離すと、パンタはその位置でどんぐりが落ちてくるのを待つことになる。

このとき、突然動きを止めて静止画像になるのでは不自然である。

そこで今回は、横移動キャッチアクションと連動する、

「その場ジャンプ(待機キャッチ)」

を制作する。


横移動と待機を一つの動きとして考える

今回のアクションを単独で考えてはいけない。

前回制作した横移動アクションと、今回制作する待機アクションは、一つの操作の中で連続して使用される。

プレイヤーが左右の矢印キーを押す。

パンタが小さく跳ねながら移動する。

目的の位置に到達する。

矢印キーを離す。

パンタはその位置で、小さく上下へ跳ねながらどんぐりを待つ。

つまり、

横へ跳ねる動きから、その場で跳ねる動きへ切り替わる。

この二つのアクションに共通する「小さく跳ねる」という動きを維持することで、操作を切り替えてもキャラクターの動きが突然変化することを防ぐ。


人間と対話AIによる設計会議

研究代表

横移動アクションができたので、次は矢印キーを離したときの動きが必要ですね。

どんぐりの落下位置に到達したら、パンタはその場にいます。


主任研究員 Arc

それなら、横移動と同じ「小ジャンプ」をそのまま利用できます。

左右へ移動せず、その場で上下に跳ねるアクションにすれば、二つの動きを自然につなげられます。


研究代表

パンタは正面向き。

体は傾けない。

頭の上に同じ籠を載せて、両手で支える。

そして、上から落ちてくるどんぐりを見る。

そんな感じですね。


主任研究員 Arc

はい。

歩行や走行ではありませんから、複雑な足運びも必要ありません。

足を曲げた状態と伸ばした状態を中心に、重心の高さを変えれば、その場で小さくジャンプしているように見せることができます。


研究代表

できれば口を開けたものと閉じたものも欲しいですね。


主任研究員 Arc

それも仕様に加えましょう。

口を開けたポーズと閉じたポーズがあれば、ゲーム上で口をパクパクさせる表現にも利用できます。


今回決定した仕様

今回制作するのは、

パンタのその場ジャンプによる待機キャッチアクション

である。

パンタは常に正面を向く。

左右には移動しない。

頭上にはどんぐりを受け止める籠を載せ、両手で籠を支える。

籠は水平を維持し、中にはどんぐりを2個入れる。

パンタの視線は、頭上から落ちてくるどんぐりを見るため、やや上向きとする。

ジャンプは小さな上下運動とし、足を前後へ大きく動かさない。

足を曲げた状態から伸ばした状態へ変化させるとともに、キャラクター全体の重心の高さを変化させる。

また、口を開けた表情と閉じた表情を混在させ、必要に応じてゲーム上の口パク表現に利用できるようにする。


二つの基準画像を使用する

今回は画像生成AIへ、二つの画像を添付した。

一つ目は、

パンタ公式キャラクター基準画像

である。

顔、耳、目の周囲の黒い模様、丸い体形、毛並み、緑色のスカーフ、青色のリュック、色彩、画風など、パンタのデザインを維持するために使用する。

二つ目は、

前回制作した横移動キャッチアクションの生成画像

である。

こちらはキャラクターデザインを指定するためではない。

籠の大きさや位置、両手で籠を支える姿勢、キャラクターと籠の関係などを画像生成AIへ伝えるための参考資料として使用した。

ただし、ここには後に重要な問題が現れることになる。


画像生成AIへのプロンプト

画像生成AIには、二つ目の添付画像について、

「籠の位置・両手の持ち方・キャラクター全体の構図の参考画像」

であることを明記した。

さらに、

「ジャンプ動作は参考にしない」

とも指定した。

そのうえで、今回新たに制作する動作について、

その場で上下に小さくジャンプすること、

真正面を向くこと、

体を左右へ傾けないこと、

左右方向へ重心を移動させないこと、

重心は上下方向だけに変化させること、

などを指定した。

また、前回と同様、

歩行ではない。
走行ではない。
行進ではない。

と明記し、歩行動作として解釈されないようにした。


画像生成AIによる生成結果

パンタキャッチ02.png

生成された画像を見ると、

パンタが頭上の籠を両手で支えながら、小さくジャンプする複数のポーズを得ることができた。

籠の位置や大きさ、両手の持ち方についても、前回の横移動キャッチアクションとの統一感がある。

キャラクターデザインについても、公式基準画像のパンタがよく維持されている。

ゲーム素材の原画として、十分に利用できる結果である。

一方、指定どおりにならなかった部分もある。

「体を左右へ傾けない」と指定したにもかかわらず、実際には体が傾いたポーズが生成された。

また、描かないよう指定した足元の影も生成された。

これらは人間による加工で修正可能であるため、今回は生成をやり直さず、素材として採用することにした。

そして実際の画像を見ると、完全な真正面で機械的に上下するよりも、わずかに体が傾いたことでキャラクターらしい動きが生まれている。

仕様から外れた生成結果が、必ずしも作品として悪い結果になるとは限らない。

これも生成AIを用いた制作では、人間が判断しなければならない部分である。


添付画像がポーズに与えた影響

今回、生成結果を詳しく確認したところ、もう一つ重要なことが分かった。

参考として添付した横移動キャッチアクションと比較すると、

足のポーズ以外は、かなり似た構成になっていた。

プロンプトでは、

「ジャンプ動作は参考にしない」

と明確に指定している。

それでも画像生成AIは、参考画像から籠の位置や持ち方だけを取り出すのではなく、キャラクター全体の姿勢や構図にも強く影響を受けたと考えられる。

これは今後の画像生成AIによるゲーム素材制作において、重要な注意点となる。

参考画像は、単なる補助資料ではない。

何を参考画像として与えるかによって、生成されるポーズそのものが変化する可能性がある。

したがって今後は、

「何を書くか」というプロンプト設計だけではなく、「何を見せるか」という添付資料の設計も必要になる。


人間による加工

生成された画像は、そのままゲーム素材として使用するわけではない。

前回と同様、人間が使用するポーズを選択し、それぞれを独立した画像へ切り分ける。

さらに、

影の除去、
不要部分の除去、
体の傾きの調整、
画像加工、
色調補正、
キャラクターサイズの統一、
位置の調整、
基準位置の統一、

などを行い、ゲームで使用できるシーケンスファイルへ仕上げる。

この工程は決して単純な後処理ではない。

画像生成AIによる出力を、

「イラスト」から「ゲーム素材」へ変換する制作工程

である。

今回も、この人間による加工を経て、待機キャッチアクションを完成させた。

パンタキャッチUp01.pngパンタキャッチUp02.pngパンタキャッチUp03.png


ゲーム素材の規格を見直す

今回の制作では、もう一つ重要な問題が明らかになった。

画像サイズである。

これまでパンタは、

基準身長250px、画像サイズ320×320px

を一つの目安として制作してきた。

しかし、頭上に籠を載せ、さらにジャンプする今回のアクションでは、上下方向により大きな領域が必要になる。

そこで、ゲーム素材の規格そのものを改めて検討した。

その結果、

パンタの基準身長250pxを、キャラクター縮尺の基準とする。

他のキャラクターは、パンタとの身長比率を維持して制作する。

一方、

画像領域は固定しない。

左右移動、上下ジャンプ、大きなアクションなど、それぞれの動作に必要な範囲に応じて画像サイズを決定する。

したがって、画像は正方形である必要もない。

横方向に広い動作なら横長。

上下方向に大きな動作なら縦長。

必要な領域を確保する。

ゲーム素材の規格として統一すべきなのは、

画像サイズではなく、キャラクターの縮尺と基準位置である。


基準位置を統一する

素材制作時の基準位置は、

画像底辺中央

とする。

画像サイズが異なっていても、この基準位置を統一して制作する。

Unityへ読み込んだ際にも、同じ位置に対応するBottom CenterをPivotとして設定する。

これにより、異なる画像サイズのアクションへ切り替えても、ゲーム上でキャラクターの位置を一貫して管理できる。

また、本研究ではスプライトシートではなく、

独立したPNG画像によるシーケンスファイル方式

を採用している。

そのため、アクションごとに異なる画像領域を採用することも容易である。

ここで、ゲーム素材制作の基本規格が明確になった。

キャラクター縮尺を統一する。

キャラクター間の身長比率を維持する。

基準位置を画像底辺中央に統一する。

画像サイズはアクションに必要な範囲に応じて決定する。

シーケンスファイル方式で管理する。

これを、今後のキャラクターアクション素材制作の基本とする。


二つのキャッチアクションが完成した

これでパンタには、

左右へ小さく跳ねながら移動するキャッチアクション

と、

その場で上下に小さく跳ねる待機キャッチアクション

の二種類がそろった。

歩行アニメーションの制作に失敗したところから始まった試行錯誤は、

「歩行を正確に生成する」

という考え方を捨て、

「ゲームとして移動しているように見える動きを設計する」

という発想へ転換した。

そして、画像生成AIによって原画を制作し、人間が選択・加工し、シーケンスファイルとして完成させる。

ここまでの実験によって、

現時点の画像生成AIを利用した2Dゲームキャラクターのアクション素材制作に、一つの実用的な方法が見えてきた。

もちろん、これが唯一の方法ではない。

画像生成AIの性能も今後変化していくだろう。

しかしこれは、実際のゲーム制作を通して、試行錯誤の末に得られた一つの結果である。


次は背景画像を制作する

キャラクターの基本アクション素材について、制作方法のめどが立った。

しかし、ゲームはキャラクターだけでは成立しない。

次に必要になるのは、

キャラクターが実際に動く世界――背景である。

背景画像では、キャラクター素材とは異なる問題が生じる。

画面サイズ、カメラ、ゲーム内での移動範囲、キャラクターとの縮尺、地面の位置、当たり判定、前景と背景の関係。

さらに、一枚の背景画像として制作するのか、複数のパーツとして制作するのかによっても、素材設計は変わる。

次回は、

ゲームに使用する背景画像を、画像生成AIによってどのように制作すればよいのか。

実際の「森のどんぐり大作戦」の背景制作を通して検証する。

キャラクターができた。

 

次は、そのキャラクターが動く世界を作る。

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